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2015年 04月 14日

【第3講】犯罪論の体系・犯罪の主体・実行行為・間接正犯

第3節 犯罪論の体系 (山口21以下)
1-3-1 構成要件該当性・違法性・責任という犯罪論の体系、それに従って犯罪の成否を判断することの意義について理解し、その概要を説明することができる。
「犯罪であるというためには、問題となる行為に、①構成要件該当性、②違法性、③責任が肯定されることが必要となる」(山口22)
・構成要件(山口23以下)
・違法性
・責任
*行為の意義
**代替的犯罪体系:統一的不法概念:管轄と帰属(Pawlik)
私見:三分体系は学習・教育上の便宜的・慣習的なものに過ぎず、それを絶対化することはかえって不当な結論に導くことがある(例:正当防衛の対象・共犯の従属性など)。違法性と責任の区別は相対的
【文献】松宮(日本)松宮(中国)増田
第2章 犯罪の積極的成立要件
第1節 主体
1 自然人(山口24以下)
・「万人」犯(Jedermannsdelikte)
・身分犯(≒Sonderdelikete)
*疑似身分犯(山口25)
2 法人(山口26以下)
2-1-1 業務主(自然人・法人)処罰規定の適用要件について理解し、その概要を説明することができる。
*法人の刑事責任
【条文】両罰規定の例/鳥獣保護法88条「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第八十三条から第八十六条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。」
【判例】法人の犯罪能力(判例刑法16)、過失推定説(判例刑法19)
短答問題072.gif
*フォード・ピント事件
「犯罪者が合理的な判断の結果,犯罪を実行するという合理的選択理論の主張の具体例として,アメリカ合衆国で発生した「フォード・ピント事件」をあげることができる。この事件は,1978年8月10日インディアナ北部の国道33号線で,3人の女性が乗るフォード社の小型乗用車ピントが後部からトラックに軽く追突されたところ,炎上したため車内の3人が焼死したというものであった。その後の調査で,フォード社は事故発生の以前からピント車が後部からの軽い追突でオイルがもれて炎上する危険性があることを認識していたことが明らかとなった。しかしフォード社は,炎上事故による被害者への損害賠償額を試算し(180人の死者と180人の負傷者が発生した場合で495万ドル),その損害賠償額を欠陥箇所である燃料タンクの設計変更と修理に要する費用(1台あたり11ドル×販売した車の台数約1,250万台=1億36700万ドル)と比較していたのである(欠陥車の修理を実施することによる損益1億3,700万ドル>実施しないことによる損益495万ドル)。つまりフォード社は,コストとベネフィットをはかりにかけ,死傷者の出る可能性を知りながらも利益追及のためピント車の設計変更や修理を実施しない道を選択していたのである。フォード社は,インディアナ州において故殺罪で起訴されたが,証拠不十分のため陪審によって不起訴とされた。しかしフォード・ピント事件は.企業犯罪への社会の関心を高める契機になった。」(瀬川晃『犯罪学』(2000年)122頁)

コアカリキュラム
第2章 犯罪の積極的成立要件
【授業内容】
第2節 実行行為
1. 実行行為の意義
2-2-1 実行行為の意義を理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*実行行為の意義
・構成要件に該当する行為
・行為規範に違反する行為(ー>行為無価値)
・結果発生の危険性のある行為(ー>結果無価値)
2. 実行行為の(現象類型的)態様
(1)直接的/間接的
ア. 直接的実行行為(直接正犯)
イ. 間接的実行行為(間接正犯)
2-2-2 間接正犯の意義について理解し、強制され、又は欺かれた被害者の行為を利用する事例や第三者の行為を利用する事例等について具体的に当てはめ、判断することができる。(ー>共犯)
【判例】殺人の実行行為(判例刑法26)
短答問題
【事例1】甲は,常日頃暴行を加えて自己の意のままに従わせていた実子の乙(13歳)に対し,Vが管理するさい銭箱から現金を盗んでくるように命じ,乙は,是非善悪の識別能力及び識別に従って行動を制御する能力を有していたが,甲の命令に従わなければまた暴力を振るわれると畏怖し,意思を抑圧された状態で,前記さい銭箱から現金を盗んだ。甲の罪責を論じなさい
―>共犯論との関係:教唆(共謀共同正犯)との区別
【事例2】甲は、自分の夫乙に多額の生命保険を掛けていたが、乙が失業し再就職の見込みもたたないので自殺させようとおもい、「もう生きているのが嫌になったので、一家心中をしましょう。あなたが先に死んでくれれば、『お父さんのところへ一緒に行こう』と息子を説得して後を追うわ」といって、乙に首つり自殺をさせたが、自分たちは死ななかった。


(2)単独/複数
ア.単独正犯
イ.共同正犯
ー>共犯

(3)作為/不作為⇒【第4講】
・作為犯
・不作為犯(―>コア2章5節)
*作為と不作為の現象類型的区別は決定的か?



鳥獣保護法の「捕獲」についてはその後未遂規定が設けられたが、最高裁の解釈によればこの規定は必要か? 
2水産資源保護法25条(「漁業法第八条第三項 に規定する内水面においては、溯河魚類のうちさけを採捕してはならない。・・・」罰則同37条2号)の「採捕」についても「捕獲」と同様の解釈があてはまるか?(参考判例:最判昭和46年11月16日集刑182号121頁
参考論文(上)(下)
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by strafrecht_bt | 2015-04-14 09:00 | 刑法Ⅰ(総論)


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