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2013年 06月 09日

2013〔第1問〕(配点:2) 「法人」

[刑事系科目]
〔第1問〕(配点:2)
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄
は,[No1])
1.法人事業主は,その従業者が法人の業務に関して行った犯罪行為について,両罰規定が定め
られている場合には,選任監督上の過失がなくても刑事責任を負う。
2.法人事業主を両罰規定により処罰するためには,現実に犯罪行為を行った従業者も処罰され
なければならない。
3.法人事業主が処罰される場合には,その代表者も処罰される。
4.刑法各則に規定された行為の主体には,法人は含まれない。
5.刑法各則に規定された行為の客体には,法人は含まれない。




=予〔第1問〕(配点:2)
1.法人事業主は,その従業者が法人の業務に関して行った犯罪行為について,両罰規定が定め
られている場合には,選任監督上の過失がなくても刑事責任を負う。→過失は必要、但し推定される(過失推定説)
2.法人事業主を両罰規定により処罰するためには,現実に犯罪行為を行った従業者も処罰されなければならない。→従業者の場合、構成要件・違法まででよい;代表者の場合は責任まで必要(参考文献:松原久利・同志社法学42巻4号100頁以下(106頁))
3.法人事業主が処罰される場合には,その代表者も処罰される。
→「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。」代表者が処罰される場合は法人も処罰されるが、法人が処罰されるのはその他の場合もある。
4.刑法各則に規定された行為の主体には,法人は含まれない。
5.刑法各則に規定された行為の客体には,法人は含まれない。
→各規定の解釈による。例えば230/231条の客体:「人」の名誉⇒自然人/法人も含まれる
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by strafrecht_bt | 2013-06-09 15:07 | 司法試験


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