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刑法授業補充ブログ

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2013年 06月 17日

演習問題

日本の貨物船が太平洋の公海上で沈没し、A(インド人の少年17歳)、B(Aの母親)、C(台湾人の船員)、D(船のコック)の4人だけが生き残り、救命ポートで漂流していた。Cは足を骨折していたが,その足は感染症で腫れ上がり、そのままでは命が危ない状態になった。Dは、Cの足を切り落とした。しかしCは死んでしまった。BはCの肉を食べた。翌日、BはDに対して「食べるために死なせたのね」と非難した。怒ったDはBを殴り傷害を負わせたが、Aはただ見ているしかなかった。その後もDはCの肉を食べ続けた。一週間後、Aは、捕まえた亀を誤って逃がしてしまい、Dから殴られた。BはAをイカダに逃がしたが、自分ははイカダの方には来ず、Aはボートに戻ったがすでに遅く、Dはナイフで殺害したBの体を海に投げ捨て、Bの体はサメに食いちぎられた。翌日、AはDに襲いかかり、奪い取ったナイフでDを殺し、その肉を食べた。その後Aは救助されたが、Dの肉を食べていなければ餓死していたであろうという状況であった。
(問1)上の事例で日本刑法は適用できるか。
(問2)Aの罪責について論じなさい。
(問3)上の事例でDがAからの攻撃に対しナイフで防御し、それによってAが死亡し、その後Aの肉を食べた後に、救助されたという場合(Aの肉を食べていなければ餓死していたであろうという状況であった。)のDの罪責について論じなさい。

by strafrecht_bt | 2013-06-17 21:54 | 刑法演習


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