2015年 07月 09日
コアカリキュラム 第6章 共犯 第1節 総説 1.共犯の処罰根拠→各論 2. 共犯の類型 6-1-1○共犯の類型を理解し、その概要を説明することができる。 *共犯と間接正犯の区別←実行行為 (1) 広義の共犯/狭義の共犯 ①共同正犯 ②教唆犯 ③幇助犯(従犯) ->広義の共犯(①②③)/狭義の共犯(②③) (2)任意的共犯/必要的共犯 6-1-3◎必要的共犯(集団犯・対向犯)に対する共犯規定の適用について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 3.共犯の従属性 (1)共犯独立性説/共犯従属性説 6-1-2◎いかなる時点から共犯が処罰できるかについて理解し、具体的事例に即して説明することができる。 教唆/幇助ー>正犯の実行行為 教唆の未遂<ー>未遂の教唆 *英米法におけるconspiracy罪 (2)要素従属性 6-3-3◎教唆犯・幇助犯が成立するために正犯に必要とされる要件について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 ①構成要件該当性/②違法性/③責任(有責性) ・極端従属性(①②③) ・制限従属性(①②) ・最小従属性(①) *誇張従属性の意義(松宮) (3)犯罪共同説/行為共同説(罪名従属性) ー>共同正犯(6-2-4) 第2節 共同正犯 1. 共同正犯の成立要件 6-2-1○共同正犯の成立要件を理解し、その概要を説明することができる。 2.共謀共同正犯 6-2-2◎直接には実行行為を分担していない者の共同正犯の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 6-2-3◎共謀の意義を理解し、具体的事例に即して説明することができる。 3.共同正犯の限界 6-2-5◎共同正犯と他の関与類型との区別について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 *共同正犯の罪名従属性? 6-2-4◎故意を異にする者の間における共同正犯の成否について理解し、具体的事例に即して説することができる。 【判例】 最決S54・4・13(判例刑法354)、最決H17・7・4(判例刑法79)->不作為犯 第3節 教唆犯・幇助犯 1. 教唆犯 6-3-1教唆犯の成立要件について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 *犯人自身による犯人蔵匿・証拠隠滅等の教唆 2. 幇助犯 6-3-2◎幇助犯の成立要件について理解し、具体的事例に即して説明することができる。 →特に「中立的行為による幇助」 * 同乗者の黙認による幇助(危険運転致死傷幇助被告事件):最決平成25年4月15日 6-3-4◎幇助の因果性に関する主要な見解を理解し、具体的事例に即して説明することができる。 【事案】 (1) A(当時45歳)及びB(当時43歳)は,運送会社に勤務する同僚運転手であり,同社に勤務するC(当時32歳)とは,仕事の指導等をする先輩の関係にあるのみならず,職場内の遊び仲間でもあった。 (2) AB両名は,平成20年2月17日午後1時30分頃から同日午後6時20分頃までの間,飲食店でCらと共に飲酒をしたところ,Cが高度に酩酊した様子をその場で認識したばかりでなく,更に飲酒をするため,別の場所に向かってCがスポーツカータイプの普通乗用自動車(以下「本件車両」という。)で疾走する様子を後から追う車内から見て,「あんなに飛ばして大丈夫かな」などと話し,Cの運転を心配するほどであった。 (3) AB両名は,目的の店に到着後,同店駐車場に駐車中の本件車両に乗り込んで,Cと共に同店の開店を待つうち,同日午後7時10分前後頃,Cから, 「まだ時間あるんですよね。一回りしてきましょうか」などと,開店までの待ち時間に,本件車両にAB両名を同乗させて付近の道路を走行させることの了解を求められた折,Aが,顔をCに向けて頷くなどし,Bが,「そうしようか」などと答え,それぞれ了解を与えた。 (4) これを受けて,Cは,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で,上記駐車場から本件車両を発進させてこれを走行させ,これにより,同日午後7時25分頃,埼玉県熊谷市内の道路において,本件車両を時速100ないし120kmで走行させて対向車線に進出させ,対向車2台に順次衝突させて,その乗員のうち2名を死亡させ,4名に傷害を負わせる本件事故を起こした。AB両名は, その間,先に了解を与えた際の態度を変えず,Cの運転を制止することなく本件車両に同乗し,これを黙認し続けていた。 参考評釈 ・千葉陽一「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で車両を走行させることに了解を与え,黙認したとして危険運転致死傷罪の幇助罪の成立を認めた事例[さいたま地方裁判所平成23.2.14判決]」新判例解説(第376回)研修755号15-26頁(2011) ・坂本学史「同乗者による危険運転致死傷罪の幇助[さいたま地方裁判所平成23.2.14判決](判例評釈)」神戸学院法学 40巻3・4号791-815頁(2011) ・殿井憲一「被告人が同乗していた自動車の運転者がアルコールの影響により正常な運転が困難な状態で危険運転致死傷罪を犯した事案につき,被告人に酒酔い運転の幇助罪を認めた事例[仙台地裁平成20.9.19判決]」(研修講座・判例紹介)研修725号105-110頁(2008) ・坂本学史「危険運転致死傷罪と幇助犯の故意(道路交通法違反幇助被告事件、仙台地方裁判所 平成ニ〇年(わ)第ニ六八号、平成ニ〇年九月一九日判決)」神戸学院法学 38巻2号519-543頁(2008年)
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| 2015-07-09 09:00
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