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2013年 10月 15日

演習問題

患者甲は、医師乙の手術を受けたが、不注意から乙は甲の腹部内にピンセットを置き忘れたまま縫合してしまった。手術の終了後に乙はこのミスに気づき、甲にもう一度手術することが必要だと告げたが、ピンセットの置き忘れについては隠していた。甲は、手術に同意し、乙はピンセットの除去に成功した。
第2手術の際に看護師Aが乙がピンセットを除去しているのに気づき、第2の手術の後で、甲に乙の第1の手術の際のミスについて告げた。甲は、通常そのような事例で裁判所が認める額を参考にしてそれを越える500万円の「慰謝料」を要求することを決意した。甲は、もしそれに応じなければ,マスコミにこの件を公表すると言って、その支払いを要求した。乙はマスコミに公表されることへの不安から500万円を支払った。
しばらくしてから甲はさらに500万円を要求した。乙は甲がこのような要求を続けてくると考え、知人の丙に100万円を支払うから、甲を「少し痛いめにあわせて」これ以上要求しないように脅すことを依頼した。丙は甲宅のベルを鳴らしたが、甲ではなくその妹のBが出てきたところ、丙はBを甲だと思って殴りつけ、さらに倒れたBを踏みつけた。Bは全治約2週間打撲と内出血の傷害を負った。甲はこれ以上の金を得ることが出来ないことを悟り、警察に連絡した。
甲、乙および丙の罪責を論ぜよ。



この問題は、バーデン・ヴュルテンベルク州第1次国家試験問題(2013年)の問題をアレンジしたものである。
【原文】Sachverhalt
Privatpatientin P lässt sich von Chefarzt C operieren. Aus Unachtsamkeit vergisst C eine Pinzette im Bauchraum der P. Erst nach der Operation bemerkt C den Fehler. C teilt der P mit, es sei eine zweite Operation erforderlich. Von der Pinzette erzählt C der P nichts. P willigt in die Operation ein. C entfernt die Pinzette erfolgreich.
Ein Assistenzarzt hat den Fehler des C mitbekommen und informiert P nach der zweiten Operation über den Fehler des C bei der ersten Operation. P beschließt, von C ein „Schmerzensgeld“ zu verlangen, das weit über die in solchen Fällen normalerweise von den Gerichten zugesprochene Summe hinausgeht (50.000 Euro). P fordert C zur Zahlung auf, da sie sonst dessen Fehler der Presse mitteilen werde. C zahlt aus Angst um seinen Arbeitsplatz und seinen guten Ruf die 50.000 Euro.
Nach einer Weile meint P, ihr stehe noch mehr Geld zu. Sie verlangt weitere 50.000 Euro von C. C erkennt, dass P ihr Verhalten fortsetzen wird. Um sich zu wehren, bittet C seinen Bekannten D, gegen Zahlung von 10.000 Euro der P einen „fühlbaren Schrecken“ einzujagen. Dazu teilt er D die Adresse von P mit. D beauftragt den E, den Wunsch des C auszuführen. E klingelt bei P, es öffnet jedoch die Schwester (S) der P. E hält die S für P und schlägt und tritt sofort auf sie ein, auch nachdem sie bereits am Boden liegt. S trägt Prellungen und Blutergüsse davon.
P erkennt, dass sie von C wohl kein weiteres Geld mehr bekommen wird und informiert die Polizei.

Aufgaben:
Wie haben sich C, P, D und E strafbar gemacht?
【訳】患者Pは、主治医Cの手術を受けた。不注意からCはPの腹部内にピンセットを置き忘れた。手術の終了後にCはこのミスに気づき、Pにもう一度手術することが必要だと告げた。ピンセットについてはCはPに全く言わなかった。Pは手術に同意し、Cはピンセットの除去に成功した。
補助医がこのCのミスに気づき、第2の手術の後で、PにCの第1の手術の際のミスについて告げた。Pは、通常そのような事例で裁判所が認める額をはるかに越えた「慰謝料」(50.000ユーロ)を要求することを決意した。Pは、もしそれに応じなければ,マスコミにこの件を公表すると言って、その支払いを要求した。Cは職と名声を失うことのへの不安から50.000ユーロを支払った。
しばらくしてからPはさらに50.000ユーロを要求した。CはPがこのような要求を続けてくると考え、知人のDに10.000ユーロを支払うから、Pを「痛いめにあわせて脅す」ことを頼んだ。DはEにCの望みを実行するすることを依頼した。EはP宅のベルを鳴らしたが、Pではなくその妹のSが出てきたところ、EはSのことをPだと思って殴りつけ、さらに倒れたSを踏みつけた。Sは打撲と内出血の傷害を負った。Pはこれ以上の金を得ることが出来ないことを悟り、警察に連絡した。
C、P、DおよびEの罪責を論ぜよ
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なおドイツの司法試験制度については、ドイツの司法試験制度:日弁連小野
各州の問題についてはここからダウンロードできる。
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by strafrecht_bt | 2013-10-15 22:19 | 刑法演習


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