人気ブログランキング | 話題のタグを見る

刑法授業補充ブログ

strafrecht.exblog.jp
ブログトップ
2016年 11月 01日

PM2.5

予備試験H26〔第33問〕 近年,PM2.5 に代表される大気中の粒子状物質が大きな環境問題となっている。この粒子状物 質に関する記述のうちも適切なものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№ 33])
1.PM2.5 とは,大気中に浮遊する粒子径がおおむね 2.5 nm〔ナノメーター〕( 1 nmは 10の-9 乗m)よりも小さな粒子状物質のことである。
2.大気中の粒子状物質の一部は,大気中で気体から化学反応により生成する。
3.バイオマスを燃焼させても,粒子状物質は発生しない。
4.大気中の粒子状物質の大部分は,人間活動により発生する。
5.大気中の粒子状物質の濃度は,気象条件とは関係がない。




【英】Particulate Matter 2.5   [略]PM2.5  
 解説 | 大気中に浮遊している直径が2.5μm〔マイクロメーター〕以下の超微粒子(1μmは10の-6乗m、1mmの千分の一)。微小粒子状物質という呼び方をされることもある。大気汚染の原因物質の一つ。
 従来から環境基準を定めて対策を進めてきたSPM(浮遊粒子状物質)は「大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が10μm以下のもの」を指すが、近年はより小さな浮遊性粒子状物質であるPM2.5の呼吸器や循環器系への影響が指摘されるようになった。粒径が小さい分、気管を通過しやすく、肺胞など気道より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられている。2009年9月には「1年平均で15μg/m3以下、かつ1日平均で35μg/m3以下」という環境基準が定められ、さらに2013年春先の中国大陸における甚大な大気汚染の発生に伴う社会的関心の増大を受けて、注意喚起のためのPM2.5暫定指針も定められている。
 現在、大気汚染防止法に基づいて、地方自治体によって全国500か所以上でPM2.5の常時監視を行っており、環境省の大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)や地方自治体等のホームページで速報値が逐次公表されている。
 PM2.5の発生メカニズムは、物の燃焼などによって直接排出される場合と、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)などのガス状大気汚染物質が環境大気中での化学反応等によって粒子化する場合の2通りがある。主な発生源には、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機などがある。これら人為起源のものだけでなく、土壌や海洋、火山等から発生する自然起源のものもある。
***
微小粒子状物質(PM2.5)とは
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています。
粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもあります。
これまで取り組んできた大気汚染防止法に基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制や自動車排出ガス規制などにより、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減少傾向にあります。
PM2.5_c0066435_8425730.png

                       PM2.5の生成メカニズム

by strafrecht_bt | 2016-11-01 07:00 | 環境刑法


<< 温暖化対策の国際的枠組み「パリ...      残余のリスク >>