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2017年 01月 23日

自由刑単一化論と懲役と禁錮の一本化案

自由刑の単一化論とは懲役を廃止し、強制作業を伴わない自由刑(行なった作業に対しては賃金制を導入する場合が多い)の一本化論だが、法務省の一本化案はそれとは異なるようだ。従来禁錮処罰されてきた類型についても裁量で刑務作業が課されうることになるのは重罰化ではないだろうか。むしろ強制的な刑務作業を廃止し、刑務所内での(任意な)労働については適正な賃金制を導入し、教育プログラムなどは受刑者の希望に応じて受けることができるようにすることが、社会復帰にもつながるのではないだろうか。



朝日新聞:懲役・禁錮刑の一本化を検討 再犯防止教育、柔軟に
2017年1月23日05時03分
一定期間を刑務所で過ごす刑
 刑務所で過ごす「懲役刑」と「禁錮刑」を廃止し、刑務作業に加えて教育なども受けやすくする新たな刑罰への一本化を法務省が検討していることがわかった。若者や高齢の受刑者など、それぞれの事情に柔軟に対応する狙いがある。法相の諮問機関「法制審議会」に2月にも諮問。実現すれば、1907(明治40)年の刑法制定以来の刑罰制度の見直しとなる。
 自由を奪われる刑としては現在、木工や印刷など刑務所での作業が義務づけられる「懲役刑」と、刑務所に収容されるが作業はない「禁錮刑」がある。禁錮刑でも希望すれば作業はできる。多くの時間が作業に割かれる懲役刑は、受刑者の特性に応じた教育には限界があると指摘されてきた。
 見直しのきっかけは、少年法の適用年齢を引き下げるかの議論だ。現在の20歳未満から18歳未満に引き下げると、これまで少年院送致などの保護処分を受けてきた18、19歳が、成人と同様に刑事裁判で裁かれることになる。「少年院での教育を受けられないと、再犯防止につなげる機会がなくなる」などの意見があり、法務省は仮に引き下げた場合でも18、19歳に更生を促せる対策を検討してきた。
新たな刑では、若い受刑者を中心に、性犯罪や薬物犯罪からの改善プログラムや学習指導などに時間を当てやすくする。障害のある受刑者や、増加している高齢の受刑者への対応も課題となっており、出所後の再犯防止に向けた指導をしやすくする。刑の名称は「拘禁刑」などが候補に挙がっているという。
 このほか同省は、裁判官が有罪と認めたうえで、判決や刑を言い渡さずに社会内で一定期間を過ごさせ、立ち直るかを見極める「宣告猶予」制度の導入も検討。猶予の間は、保護観察所の指導などを想定している。こうした案を含めて法制審にはかる。
 日本弁護士連合会も「懲役刑は低額の報奨金で労働を強制しており、賃金制を採用している国際的な流れとの差がある。社会復帰後に役立っていない」という理由で、新たな刑の導入を提案している。
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by strafrecht_bt | 2017-01-23 21:04 | 刑法Ⅰ(総論)


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