刑法授業補充ブログ

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2017年 04月 18日

刑法1(2)罪刑法定主義

罪刑法定主義

第1章 刑法の基礎理論
第2節 罪刑法定主義(山口8以下)
【授業内容】
2.類推解釈の禁止(山口11以下):刑法で類推解釈が許されないことの趣旨を理解し、類推解釈と拡張解釈の限界について、具体的事例に即して説明することができる。
【判例】①電気窃盗事件(判例刑法10)ガソリンカー事件(判例刑法11)、
②明文なき未遂犯処罰(最判平成8年2月8日刑集50巻2号221頁(鳥獣捕獲))、
③明文なき過失犯処罰(判例刑法222、223、過失の項目でも後述)
(問)類推解釈と拡張解釈の「論理の違い」(山口11)を説明しなさい。
【文献】増田(可能な語義)
3.遡及処罰の禁止(山口12以下:事後法の禁止)
*公訴時効の廃止(山口13)
4.明確性の原則(山口14以下):罰則が広すぎるため、又は、あいまい不明確であるために違憲無効とされる理由とその要件
(評価)「合憲性に関する判例の具体的な基準はそれほど厳格だとはいえない」(山口16)
*実体的デュープロセスの理論
5.内容の適正さ(山口16以下)
(1)無害な行為を処罰する罰則
(2)過度に広範な処罰規定
6. 罪刑の均衡(山口18)
【判例】尊属殺違憲判決(最判昭和48年4月4日刑集27巻3号265頁
→2016年度/2015年度の講義。






刑法1:理解度確認テスト(2)

【復習問題】(配点:) :刑罰に関する次のアからオまでの各記述を検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2 を【解答欄】に記入しなさい。

.自由刑には、懲役、禁錮及び労役場留置が含まれる。

.財産刑には、罰金、没収及び追徴が含まれる。

.有期の懲役又は禁錮は、1月以上15年以下であり、これを加重する場合においては30年にまで上げることができる。

.有期の懲役又は禁錮を減軽する場合においては1月未満に下げることができる。

.懲役は、受刑者を刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる刑罰であり、禁錮は、受刑者を刑事施設に拘置する刑罰である。

【解答欄】ア( )イ.( )ウ( )エ( )オ( )

【短答問題】(配点:2) 罪刑法定主義に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

.犯罪と刑罰は、「法律」によって定められていなければならず、この「法律」には、法律の委任を受けた政令、条例及び慣習法が含まれる。

.行為の時に適法であった行為を、その後の法律によって遡って犯罪とすることは、許されない。

.ある刑罰法規につき、条文の文言を、語義の可能な範囲内で通常の意味よりも広げて解釈することは、許されない。

.刑の長期と短期を定めて言い渡し、現実の執行期間をその範囲内において執行機関の裁量に委ねることは、許されない。

.ある刑罰法規が、犯罪に比べて著しく均衡を失する重い刑罰を規定している場合、当該刑罰法規は違憲である。

1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.ウ オ

【解答欄】( )

【論文問題】「平成29215日、東京都調布市の都営アパート内のV(当時89)居住の部屋で、Vの孫である甲は、Vから金を借りようとしたが断られたため、かっとなってVの頭や顔を数回にわたりはさみで刺し、さらに殴るなどして死亡させた。その後、甲は、Vが預金通帳などをたんすの引き出しに入れていたことを思い出し、たんすの引き出しを開け、現金2万円と預金通帳と印鑑を持ち去った。甲の罪責について論じなさい(特別法違反の点を除く)。」カッコ内に下の【判決理由】を参考にして正しい語・文・数字を入れなさい。

【判例】最判昭和4148[191]殺害直後の時計の奪取

【判決理由】「披告人は、当初から財物を領得する意思は有していなかつたが、野外において、人を殺害した後、領得の意思を生じ、右犯行直後、その現場において、被害者が身につけていた時計を奪取したのであつて、このような場合には、被害者が生前有していた財物の所持はその死亡直後においてもなお継続して保護するのが法の目的にかなうものというべきである。そうすると、被害者からその財物の占有を離脱させた自己の行為を利用して右財物を奪取した一連の被告人の行為は、これを全体的に考察して、他人の財物に対する所持を侵害したものというべきであるから、右奪取行為は、占有離脱物横領ではなく、窃盗罪を構成するものと解するのが相当である。」

【解答欄】第1 甲の(                            )という行為につき、(   )罪(刑法[以下略] 条)が成立する。

2 さらに、甲が(              )行為につき、以下のように、(   )罪(   条)が成立するが、(        )(   条 項)の規定に基づき「その刑を(    )」される。

 1 (    )罪は、「他人が占有する他人所有の財物の占有を、占有者の意思に反して取得する場合」に成立するが、本件においては甲が奪取の意思を生じ、それを実行した時点においてVはすでに死亡していたのであるから、死者には占有が認められず、そこから財物を領得しても(       )罪(    条)が成立するに過ぎないのではなないかが問題となる。

 2 しかし、本件のように殺害者自身が被害者からその財物の占有を離脱させた自己の行為を利用してその財物を奪取した場合には(

                                    )と考えられるから、(      )罪が成立すると解することができる。

 3 けれども、本件においてVは甲の(   )であるから(   )条( )項の「(   )」にあたるので、「その刑を(    )」される。


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by strafrecht_bt | 2017-04-18 09:00 | 刑法Ⅰ(総論)


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