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2006年 04月 11日
【問題1】甲は,2名と共謀の上,平成16年3月6日午前3時40分ころ,普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を押し込み,トランクカバーを閉めて脱出不能にし同車を発進走行させた後,呼び出した知人らと合流するため,大阪府岸和田市内の路上で停車した。その停車した地点は,車道の幅員が約7.5mの片側1車線のほぼ直線の見通しのよい道路上であった。上記車両が停車して数分後の同日午前3時50分ころ,後方から普通乗用自動車が走行してきたが,その運転者乙は前方不注意のために,停車中の上記車両に至近距離に至るまで気付かず,同車のほぼ真後ろから時速約60㎞でその後部に追突した。これによって同車後部のトランクは,その中央部がへこみ,トランク内に押し込まれていた被害者は,第2・第3頸髄挫傷の傷害を負って,間もなく同傷害により死亡した。 甲および乙の罪責について論ぜよ。 【問題2】甲は,手の平で患者の患部をたたいてエネルギーを患者に通すことにより自己治癒力を高めるという「シャクティパット」と称する独自の治療(以下「シャクティ治療」という。)を施す特別の能力を持つなどとして信奉者を集めていた。Aは,甲の信奉者であったが,脳内出血で倒れて兵庫県内の病院に入院し,意識障害のため痰の除去や水分の点滴等を要する状態にあり,生命に危険はないものの,数週間の治療を要し,回復後も後遺症が見込まれた。Aの息子Bは,やはり被告人の信奉者であったが,後遺症を残さずに回復できることを期待して,Aに対するシャクティ治療を被告人に依頼した。甲は,脳内出血等の重篤な患者につきシャクティ治療を施したことはなかったが,Bの依頼を受け,滞在中の千葉県内のホテルで同治療を行うとして,Aを退院させることはしばらく無理であるとする主治医の警告や,その許可を得てからAを被告人の下に運ぼうとするBら家族の意図を知りながら,「点滴治療は危険である。今日,明日が山場である。明日中にAを連れてくるように。」などとBらに指示して,なお点滴等の医療措置が必要な状態にあるAを入院中の病院から運び出させ,その生命に具体的な危険を生じさせた。さらに甲は,前記ホテルまで運び込まれたAに対するシャクティ治療をBらからゆだねられ,Aの容態を見て,そのままでは死亡する危険があることを認識したが,上記の指示の誤りが露呈することを避ける必要などから,シャクティ治療をAに施すにとどまり,未必的な殺意をもって,痰の除去や水分の点滴等Aの生命維持のために必要な医療措置を受けさせないままAを約1日の間放置し,痰による気道閉塞に基づく窒息によりAを死亡させた。甲の罪責について論ぜよ。 【次回予告】錯誤論 大阪高判平成14年9月4日判タ1114号293頁 最決昭和62年7月16日刑集41・5・237 【問題】甲は、Aが交通事故により、甲の妻と息子を死に至らしめたことを恨みに思い、Aの子供を殺害し、自分と同じ思いをさせてやろうと考え、知り合いの乙に、Aの息子Bの殺害を依頼した。 そこで、乙は、Bを拉致して、人気のない山奥で殺害しようと考え、Bを下校途中に無理矢理車の中に押し込め、クロロフォルムをかがせて意識を失わせた。その後、Bをトランクの中に押し込め、山奥へ移動しはじめた。途中、休憩のためコンビニの駐車場に後部を道路側にして駐車し、店内で買い物をしていたところ、突然、丙の運転する自動車が駐車場に突入し、乙の車の後部の時速約60キロメートルで衝突した。そのため、Bは全身打撲により死亡した。なお、コンビニ駐車場が面してる道路は、片道二車線のほぼ直線であり、指定最高速度が時速50キロメートルであったが、丙は、時速約100キロメートルで当該道路を走行し、前方を走行する車を追い越すため、急に進路を変更したため、車両が不安定になり、コンビニの駐車場へ暴走したものであった。 甲、乙および丙の罪責を論ぜよ。 (by I@C大君) by strafrecht_bt | 2006-04-11 01:35 | 刑法Ⅰ(総論)
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