刑法授業補充ブログ

strafrecht.exblog.jp
ブログトップ

<   2012年 06月 ( 8 )   > この月の画像一覧


2012年 06月 09日

2012〔第20問〕(配点:2) 「没収と追徴」

〔第20問〕(配点:2)
没収と追徴に関する次の【記述】中の1から8までの( )内に,後記アからシまでの【語句群】
から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄
は,[No39])
【記 述】
「刑法第19条により没収の対象とされているのは,例えば,犯罪を組成した物として(1),
犯罪行為の用に供した物として(2),犯罪行為によって生じた物として(3),犯罪によって得
た物として(4)がある。同条は,任意的な没収を定めた規定であるが,刑法上,必要的没収と
なるものとしては,(5)がある。没収は,罰金,(6)と並ぶ財産刑の一種であり,(7)を言
い渡す場合に付加して言い渡すことができるものである。これに対し,追徴は,没収が不能とな
った場合に認められる(8)である。」
【語句群】
ア.殺人に使用された包丁 イ.賭博に勝って得た金品
ウ.文書偽造罪における偽造文書 エ.偽造文書行使罪における偽造文書
オ.犯罪行為の報酬として得た金銭 カ.収受した賄賂 キ.過料 ク.科料
ケ.自由刑 コ.主刑 サ.換刑処分 シ.付加刑
1.1ウ 2ア 3エ 4カ 5オ 6ク 7ケ 8シ
2.1ウ 2エ 3イ 4オ 5ア 6キ 7コ 8サ
3.1エ 2ア 3ウ 4イ 5カ 6ク 7コ 8サ
4.1エ 2ア 3ウ 4オ 5カ 6ク 7コ 8シ
5.1カ 2エ 3ウ 4イ 5オ 6キ 7ケ 8シ
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:19 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第18問〕(配点:3) 「因果関係」

〔第18問〕(配点:3)
次の【事例及び裁判所の判断】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているもの
はどれか。(解答欄は,[No36])
【事例及び裁判所の判断】
被告人ら複数名が,被害者に対し,マンションの居室内において,長時間にわたって激しい暴
行を加えたところ,被害者が,隙を見て同居室から逃走した上,被告人らに極度の恐怖感を抱き,
その追跡から逃れるため,逃走を開始してから約10分後,上記マンションから約800メート
ル離れた高速道路内に進入し,疾走してきた自動車に衝突されて死亡したという傷害致死被告事
件において,裁判所は,「被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは,危険な行為で
はあるが,被害者は,被告人らの激しい暴行を受けて極度の恐怖感を抱き,必死に逃走を図る過
程で,とっさにそのような行動を選択したものと認められ,その行動が,被告人らの暴行から逃
れる方法として,著しく不自然,不相当であったとはいえない。そうすると,被害者が高速道路
に進入して死亡したのは,被告人らの暴行に起因するものと評価することができるから,被告人
らの暴行と被害者の死亡との間の因果関係は肯定することができる。」旨の判断を示した。
【記 述】
1.この裁判所の考え方によれば,上記事例において,高速道路内に進入する以外に被害者にと
って容易にとり得る他の安全な逃走経路があり,そのことを被害者が認識していたにもかかわ
らず,あえて被害者が高速道路に進入した場合には,因果関係を否定する判断に結び付きやす
いといえる。
2.この裁判所の考え方は,被告人らの行為の危険性が現実化したか否かという観点から,逃走
した被害者の行動が,被告人らの暴行による心理的・物理的な影響に基づくか否かを検討する
ことによって,因果関係の存否を判断しているものと評価することも可能である。
3.この裁判所の考え方によれば,上記事例において,被告人らが被害者に加えた暴行が短時間
かつ軽微なもので,被害者も強い恐怖感を抱かなかった場合には,因果関係を否定する判断に
結び付きやすいといえる。
4.この裁判所の考え方は,被告人らの行為と被害者の死亡の結果との間に事実的なつながり(条
件関係)が存在することを前提にした上で,被告人らの行為の後に被害者による危険な逃走行
為が介在した場合における因果関係の存否を判断していると評価することも可能である。
5.この裁判所の考え方によれば,上記事例において,被害者が暴行を受けたマンションの居室
から逃げ出し,同マンションに面した一般道路に慌てて飛び出したところ,自動車に衝突され
て死亡したという場合であれば,因果関係を否定する判断に結び付きやすいといえる。
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:13 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第16問〕(配点:3)「共同正犯と過剰防衛」

〔第16問〕(配点:3)
次の【事例】及び【判旨】に関する後記アからエまでの各【記述】を検討し,正しい場合には1
を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエまでの順に[No30]から[No33])
【事 例】
甲は,友人乙及び丙女と深夜歩道上で雑談していたところ,通り掛かったVから因縁を付けら
れ,Vが丙女の髪をつかんで引きずるなどの暴行を加えたため,乙と共に,丙女への暴行をやめ
させるためにVの顔面を殴るなどした(以下,甲と乙が共にVの顔面を殴るなどした行為を「第
1行為」という。)。Vは,一旦丙女への暴行をやめたものの,その後も甲らに悪態をついたため,
更に乙においてVの顔面を殴ったところ(以下,乙がVの顔面を殴った行為を「第2行為」とい
う。),Vが転倒して重傷を負った。第2行為の際,甲はVに対し暴行を加えることも,乙の行為
を制止することもなかった。
【判 旨】
相手方の侵害に対し,複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び,相手からの侵害が終了
した後に,なおも一部の者が暴行を続けた場合において,侵害現在時における暴行が正当防衛と
認められる場合には,侵害終了後の暴行については,侵害現在時における防衛行為としての暴行
の共同意思から離脱したかではなく,新たに共謀が成立したかどうかを検討すべきであり,共謀
の成立が認められるときに初めて侵害現在時及び侵害終了後の一連の行為を全体として考察し,
防衛行為の相当性を検討すべきであるところ,甲に関しては,第1行為については正当防衛が成
立し,第2行為については乙との間に新たに共謀が成立したとは認められないのであるから,第
1行為と第2行為とを一連一体のものとして総合評価する余地はない。
【記 述】
ア.この判旨は,甲らによる第1行為が正当防衛に当たることから,第1行為と第2行為とを一
体のものとして考慮するためには,第2行為についての新たな共謀が必要だと考えている。[No
30]
イ.この判旨は,甲らによる第1行為が正当防衛に当たることから,甲が乙による第2行為を防
止する措置を講じなかったにもかかわらず,甲に共謀関係からの離脱を認めたものである。[No
31]
ウ.共同正犯について「構成要件に該当する違法な行為を共謀することによって成立する」と考
える見解に立つと,この事例における甲の罪責について,この判旨と結論において一致するこ
とはない。[No32]
エ.この判旨の立場からは,甲に第2行為についての新たな共謀が認められる場合には,甲に過
剰防衛が成立する余地はない。[No33]
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:11 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第13問〕(配点:2) 「責任能力」

〔第13問〕(配点:2)
責任能力に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているも
のの個数を後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[No26])
ア.犯行時に14歳未満であっても,公訴を提起する時点で14歳に達していれば,刑事責任能
力が認められる。
イ.犯行時に成年に達していても,犯行時の知能程度が12歳程度であった場合には,刑事未成
年者に関する刑法第41条が準用される。
ウ.犯行時に心神耗弱の状態にあったと認められれば,刑が任意的に減軽される。
エ.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,行動を制御する能力が十
分に保たれていれば,完全責任能力が認められることがある。
オ.飲酒当初から飲酒後に自動車を運転する意思があり,実際に酩酊したまま運転した場合,運
転時に飲酒の影響により心神耗弱の状態であっても,完全責任能力が認められることがある。
1.1個 2.2個 3.3個 4.4個 5.5個
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:09 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第11問〕(配点:3) 「中止犯」

〔第11問〕(配点:3)
次の【事例】に引き続く事情に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討
し,甲に殺人未遂罪の中止犯が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。(解
答欄は,アからオの順に[No19]から[No23])
【事 例】
甲は,殺意をもって,乙の頭部目掛けて包丁で1回切り付けたが,乙は,これを左腕で防いだ
ため,左前腕部切創の傷害を負った。
【記 述】
ア.乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至
らなかった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,通行人が近づいてくるのを認めて,自己
の犯行が発覚すると思い,その場から逃走した。[No19]
イ.乙は,前記左前腕部切創に起因する出血のため,早期に治療を受けなければ出血性ショック
により死亡する危険のある状態となった。甲は,乙に致命傷を与えたと思い,その場を立ち去
ろうとしたが,乙から「助けてくれ。」と懇願されたため,憐憫の情を催し,通行人に「あそ
こに怪我人がいるから,あとはよろしく。」とだけ告げて立ち去った。乙は,その通行人が手
配した救急車によって病院に搬送されて治療を受けた結果,死亡するに至らなかった。[No20]
ウ.乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至
らなかった。しかし,甲は,乙に致命傷を与えたものと信じ込み,その場を立ち去った。[No
21]
エ.乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至
らなかった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,乙から「助けてくれ。」と懇願されたた
め,憐憫の情を催し,そのままその場から立ち去った。[No22]
オ.乙は,前記左前腕部切創に起因する出血のため,早期に治療を受けなければ出血性ショック
により死亡する危険のある状態となった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,乙から「助
けてくれ。」と懇願されたため,憐憫の情を催し,乙を病院に搬送して治療を受けさせたが,
乙は治療の甲斐なく出血性ショックにより死亡した。[No23]
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:07 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第9問〕(配点:2)「緊急避難」

〔第9問〕(配点:2)
緊急避難に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選
びなさい。(解答欄は,[No16],[No17]順不同)
1.緊急避難の要件である「現在の危難」は,人の行為によるものに限られないから,自然災害
もこれに含まれる。
2.緊急避難が成立するのは,避難行為により避けようとした害が避難行為から生じた害の程度
を超える場合に限られ,前者と後者が同等の場合には成立しない。
3.緊急避難の要件である「現在の危難」が認められる場合であっても,第三者の正当な利益を
侵害することは認められないから,現在の危難を避けるために第三者の法益を侵害したときに
は,緊急避難は成立しない。
4.緊急避難の要件である「現在の危難」は,正当防衛の要件の「急迫不正の侵害」とは異なり,
法益に対する侵害が現実に存在することを意味し,侵害が差し迫っているだけでは足りない。
5.避難行為から生じた害が避難行為により避けようとした害の程度を超えるが,危難を回避す
る方法がその避難行為以外に存在しなかった場合には,過剰避難が成立し得る。
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 23:03 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第7問〕(配点:3) 「事実の錯誤」

〔第7問〕(配点:3)
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,誤っているものを2個選びなさい。(解
答欄は,[No12],[No13]順不同)
1.甲は,Aを川の中に突き落として溺死させようと思い,橋の側端に立っていたAを突き飛ば
したところ,Aは落下する途中で橋脚に頭部を強打して即死した。甲には殺人既遂罪が成立す
る。
2.甲は,乙に対し,Aを殺害するよう唆したところ,乙は,その旨決意し,夜道で待ち伏せし
た上,歩いてきた男をAだと思って包丁で刺し殺したが,実際には,その男はBであった。甲
には殺人既遂罪の教唆犯が成立する。
3.甲は,隣人Aの居宅の玄関前に置いてあった自転車を,Aの所有物と認識して持ち去ったが,
実際には,同自転車は無主物だった。甲には遺失物等横領罪が成立する。
4.甲は,駐車場に駐車中のA所有の自動車を見て,Aに対する腹いせに傷つけてやろうと思っ
て石を投げたが,狙いがそれて,その隣に駐車中のB所有の自動車に石が当たってフロントガ
ラスが割れた。甲には器物損壊罪が成立する。
5.甲は,乙との間で,Aに暴行を加えることを共謀したところ,乙は,Aに対して暴行を加え
ている最中に興奮のあまり殺意を生じ,Aを殺害してしまった。甲には傷害罪の共同正犯が成
立するにとどまる。
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 22:58 | 司法試験
2012年 06月 09日

2012〔第5問〕(配点:3) 「罪数」

〔第5問〕(配点:3)
教授と学生A及びBは次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の1から5までの( )
内に,後記アからケまでの【語句群】から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記
1から5までのうちどれか。(解答欄は,[No10])
【会 話】
教 授:犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者を殺害した場合の住居侵入罪と殺人罪の罪数
関係や,犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者のお金を盗んだ場合の住居侵入罪と窃
盗罪の罪数関係は,判例ではどうなるかな。
学生A:(1)です。
教 授:それでは,犯人が被害者の住居に侵入した上で,被害者を殺害し,その後に被害者のお
金を盗もうと思い立って,現実にお金を盗んだ場合の住居侵入罪,殺人罪,窃盗罪の罪数
関係は,判例ではどうなるかな。
学生B:住居侵入罪と殺人罪が(1),住居侵入罪と窃盗罪が(1)となり,全体として(2)
になります。
教 授:そうだね。このような場合をかすがい現象と言っているんだ。
それでは,犯人が路上で被害者を殺害し,その後に被害者のお金を盗もうと思い立ち,
お金を盗んだ場合における殺人罪と窃盗罪の罪数関係は,判例ではどうなるかな。
学生A:(3)です。
教 授:住居侵入罪の法定刑の上限は懲役3年,窃盗罪の法定刑の上限は懲役10年,殺人罪で
有期懲役刑を選択した場合の法定刑の上限は懲役20年だけど,判例の立場によれば,前
科のない犯人が被害者の住居に侵入した上で,被害者を殺害し,その後に被害者のお金を
盗もうと思い立ち,お金を盗んだ事案における処断刑の上限は,それぞれの罪について有
期懲役刑を選択した場合にはどうなるだろう。
学生B:(4)です。
教 授:それでは,判例の立場で,前科のない犯人が路上で被害者を殺害し,その後に被害者の
お金を盗もうと思い立ち,お金を盗んだ事案の処断刑の上限は,それぞれの罪について有
期懲役刑を選択した場合にはどうなるかな。
学生A:(5)です。
【語句群】
ア.併合罪 イ.牽連犯 ウ.観念的競合 エ.科刑上一罪 オ.包括一罪
カ.懲役20年 キ.懲役25年 ク.懲役30年 ケ.懲役40年
1.1イ 2エ 3ア 4カ 5ク
2.1イ 2エ 3ア 4カ 5ケ
3.1イ 2オ 3イ 4ケ 5カ
4.1ウ 2エ 3ア 4ク 5キ
5.1ウ 2オ 3イ 4ケ 5ク
[PR]

by strafrecht_bt | 2012-06-09 22:55 | 司法試験