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2013年 06月 29日

強盗罪における反抗抑圧後の財物奪取の意思 文献

1) 松原芳博「強盗罪(その1)(その2)」ロー・クラス 刑法各論の考え方(16)(17)法学セミナー697号(2013年)109-115頁,698号(2013年-頁)日本評論社
2) 芥川正洋「強盗罪における暴行・脅迫と財物奪取の意思 : 『新たな暴行・脅迫必要説』の再検討」早稲田大学大学院法研論集 143号1-24頁(2012年) 早稲田大学大学院法学研究科
3) 芥川正洋「強盗罪における反抗抑圧状態の機能 : 強盗既遂罪の成否」早稲田大学大学院法研論集 (140), 1-27(2011年)
4) 芥川正洋(判例評釈 外国刑事判例研究 早稲田大学刑事法学研究会)「不作為の暴行による強盗罪の成否[BGH, Urteil vom 15.10.2003-2 StR 283/03, BGHSt 48, 365]」早稲田法学 87巻1号175-184頁(2011年)
5) 佐伯仁志「強盗罪(1)(2)」刑法各論の考え方・楽しみ方(第12回)(第13回)法学教室 369号133-139頁(2011年),370号83-91頁(2011年)有斐閣
6) 森永真綱「強盗罪における反抗抑圧後の領得意思 : 新たな暴行・脅迫必要説の批判的検討」 (甲南大学法学部開設50周年記念号上巻)甲南法学 51巻3号139-160頁(2011年)甲南大学
7) 冨高彩「強盗罪における不作為構成」(1)上智法学論集54巻2号 87-114頁(2010年)(2・完)上智法学論集 54巻3・4号57-95頁(2011年)
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by strafrecht_bt | 2013-06-29 08:19 | 刑法Ⅱ(各論)
2013年 06月 27日

参考判例:共謀の認定

次の控訴審判決と第一審判決を比較し、なぜ異なった結論が導きだされたのかを分析しなさい。
【控訴審】 大阪高判 平成16年2月24日 判例時報1881号140頁
【事件番号】 平成13年(う)第566号
【事件名】 銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
【審級関係】 ①第一審:大阪地判平成13年3月14日判決 /②本件/ ③上告審:最決平成17年11月29日
【裁判結果】 破棄自判
【上訴等】 上告
【裁判官】 白井万久 的場純男 磯貝祐一
【参照法令】 刑法60条/銃砲刀剣類所持等取締法31条の3/銃砲刀剣類所持等取締法3条
【評釈】 上田信太郎「 情況証拠の積み重ねと組織犯罪における共謀の存否の判断」受験新報652号15頁
【引用判例】 ①最高裁判所大法廷 昭和24年(新れ)第22号 昭和25年 9月27日
②最高裁判所第三小法廷 平成2年(あ)第72号 平成7年6月20日
③最高裁判所大法廷 昭和26年(あ)第2357号 昭和27年4月9日
④最高裁判所第一小法廷 平成14年(あ)第164号 平成15年5月1日
【事案の概要】 指定暴力団5代目P3組の若頭補佐である被告人が、定例幹部会に出席するため、前日来宿泊していたホテルを出発するに際し、自己の身辺警護の目的から秘書及び配下組員と各共謀の上、それぞれ拳銃1丁をこれに適合する実包と共に携帯所持したという銃刀法違反被告事件の控訴審おいて、原判決は、被告人において両名が拳銃等を所持して被告人を警護していたことを認識し、これを容認していたとするには、なお合理的な疑いが残るとして被告人を無罪としたが、当審では、被告人と両名との間には各自の拳銃所持につきそれぞれ黙示的な意思の連絡があり、両名との間にそれぞれ共謀共同正犯が成立するとして、原判決を破棄して、被告人を懲役6年の実刑に処した事例。
【要旨】 共謀共同正犯の成否について、暴力団会長が、配下のいわゆる親衛隊の構成員やその指揮者らに対し、けん銃等を携帯所持して警護するように直接指示を下さなくても、同行するに当たり、これらの者の一部が同人を警護するため自発的にけん銃等を携帯所持していることを、少なくとも概括的とはいえ確定的に認識しながら、それを当然のこととして受入れて認容しており、他方、配下の者たちも、このような意思を察していたと認められるから、けん銃等の携帯所持につき黙示的な意思の連絡があったといえ、また、指揮命令の権限を有する同人の地位及び警護を受けるという同人の立場を併せ考えれば、実質的には、正に同人が配下の者たちにけん銃等をそれぞれ所持させていたと評し得るので、けん銃等の各携帯所持につき、共謀共同正犯が成立すると判断した。

*****
【第一審】 大阪地判平成13年3月14日 判例時報1746号159頁
【事件名】 銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
【裁判結果】 無罪
【上訴等】 控訴
【裁判官】 上垣猛 山田耕司 田辺暁志
【参照法令】 銃砲刀剣類所持等取締法31条の3/銃砲刀剣類所持等取締法3条/刑法60条
【事案の概要】 組員Aらの拳銃所持の事実につき、暴力団会長の被告人とAらとの間には拳銃所持についての共謀があったとして、被告人が銃砲刀剣類所持等取締法違反で起訴された事案で、被告人とAらとが拳銃等の所持について共謀したことについてこれを裏付ける直接的証拠はなく、謀議メモ等の謀議を間接的に裏付けるような証拠も存在しないなどとして、被告人の無罪を言い渡した事例。
【要旨】 暴力団幹部である被告人において、配下の組員らが自分の警護のためにけん銃等を所持していることを明示的又は黙示的に認識し、これを容認(許容)していたと認めることができるならば、親分である被告人が子分らと意思を相通じた上で子分らによるけん銃等の所持の犯行を利用、支配して自己の身の安全を守るという利益を享受した、つまり、被告人において「自己の犯罪として」けん銃等を共謀して所持したと評価することが可能であるから、共謀の事実を認定することができるが、被告人と前記組員らとがけん銃等の所持について共謀していたことを裏付ける直接的証拠はなく、謀議メモ等の謀議を間接的に裏付ける証拠も存在しない等の本件事情の下では、被告人において、前記組員らがけん銃等を所持して被告人を警護していたことを認識し、これを認証(許容)していたとするには、なお合理的な疑いが残り、被告人が前記組員と共謀して拳銃等を所持したとの証明がないといわざるを得ないとして、無罪を言い渡した。

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上告審
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by strafrecht_bt | 2013-06-27 16:20 | 刑法演習
2013年 06月 27日

演習問題

〔設例〕 以下の事例に基づき、(1)国際旅行連盟(ITA)が実在しない架空の団体であった場合と(2)実際にITAが実在しており、甲がその機関の承諾をえて国際運転免許書を発券していた場合のそれぞれについての甲の罪責につき、具体的な事実を適示しつつ論じなさい(特別法違反の点を除く。)。
1. 甲は、インターネット上の掲示板に「メキシコ政府公認の機関が発行する国際免許書を格安で即時販売します!」という広告を出し、その広告を見てそれが合法的な国際免許書であると信じ、メールで申し込みをしてきたVに販売する目的で、メキシコにある「国際旅行連盟」(インターナショナル・ツーリング・アライアンス。以下ITA。)なる団体が発行する国際運転免許証様の文書1通を作成した。
2.本件国際運転免許証様の物は、大きさが縦約153mm、横約106mmの白色冊子型のもので、その表紙には英語と仏語で「国際自動車交通」、「国際運転免許」、「1949年9月19日の国際道路交通に関する条約」(国際連合)との記載とITAとの文字が記載されたスタンプが印字されている。また、その裏表紙には有効期間等が、2頁目以降には英語、日本語、フランス語等による免許の種別や内容、また、英語による加盟国の一覧表等がそれぞれ記載され、さらに、最終頁にはVの姓名等の記載があり、Vの写真が貼付されていた。
3. なお「1949年9月19日の国際道路交通に関する条約」は通常「ジュネーブ条約」と呼ばれており、同条約の附属書10によれば、同条約に基づく国際運転免許証の様式は、縦148mm、横105mmの大きさで、表紙が灰色、各頁が白色と定められており、表紙には発給国の一又は二以上の国語で「国際自動車交通」、「国際運転免許証」の文字のほか、「国際道路交通に関する条約の締結年月日」、「発給国名」、「発給地名」、「発給年月日」を記載し、さらに当局又は権限を与えられた団体の署名又はシールを押捺し、追補の頁には発給国の法令で定める言語や国際連合の公用語等の言語による免許の種別や内容等を記載し、免許保有者の写真を貼付するものとされている。我が国はジュネーブ条約の締約国であり、同条約に基づいて発給された国際運転免許証は、我が国において効力を有するが、ジュネーブ条約は、締約国若しくはその下部機構の権限ある当局又はその当局が正当に権限を与えた団体でなければ、同条約に基づいて国際運転免許証を発給することができない旨規定している。
4. 甲はメキシコ合衆国に実在する民間団体であるITAから本件文書の作成を委託されていた旨から本件文書の作成を委託されていた旨主張しているが、ITAなる団体がジュネーブ条約に基づきその締約国等から国際運転免許証の発給権限を与えられた事実はなく、甲もこのことを認識していた。
5. 注文者Vは、注文後、この国際運転免許書の効力を疑問を持ち、メキシコ大使館に問い合わせたところ、ITAをメキシコ政府が公認しているというような事実はないという回答があったので、代金の支払いをせず、警察にこの件を通報した。
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by strafrecht_bt | 2013-06-27 14:25 | 刑法演習
2013年 06月 22日

2013年予備試験論文式問題

[刑法]
以下の事例に基づき,Vに現金50万円を振り込ませた行為及びD銀行E支店ATMコーナーにおいて,現金自動預払機から現金50万円を引き出そうとした行為について,甲,乙及び丙の罪責を論じなさい(特別法違反の点を除く。)。
1 甲は,友人である乙に誘われ,以下のような犯行を繰り返していた。
①乙は,犯行を行うための部屋,携帯電話並びに他人名義の預金口座の預金通帳,キャッシュカード及びその暗証番号情報を準備する。②乙は,犯行当日,甲に,その日の犯行に用いる他人名義の預金口座の口座番号や名義人名を連絡し,乙が雇った預金引出し役に,同口座のキャッシュカードを交付して暗証番号を教える。③甲は,乙の準備した部屋から,乙の準備した携帯電話を用いて電話会社発行の電話帳から抽出した相手に電話をかけ,その息子を装い,交通事故を起こして示談金を要求されているなどと嘘を言い,これを信じた相手に,その日乙が指定した預金口座に現金を振り込ませた後,振り込ませた金額を乙に連絡する。④乙は,振り込ませた金額を預金引出し役に連絡し,預金引出し役は,上記キャッシュカードを使って上記預金口座に振り込まれた現金を引き出し,これを乙に手渡す。⑤引き出した現金の7割を乙が,3割を甲がそれぞれ取得し,預金引出し役は,1万円の日当を乙から受け取る。
2 甲は,分け前が少ないことに不満を抱き,乙に無断で,自分で準備した他人名義の預金口座に上記同様の手段で現金を振り込ませて,その全額を自分のものにしようと計画した。そこで,甲は,インターネットを通じて,他人であるAが既に開設していたA名義の預金口座の預金通帳,キャッシュカード及びその暗証番号情報を購入した。
3 某日,甲は,上記1の犯行を繰り返す合間に,上記2の計画に基づき,乙の準備した部屋から,乙の準備した携帯電話を用いて,上記電話帳から新たに抽出したV方に電話をかけ,Vに対し,その息子を装い,「母さん。俺だよ。どうしよう。俺,お酒を飲んで車を運転して,交通事故を起こしちゃった。相手のAが,『示談金50万円をすぐに払わなければ事故のことを警察に言う。』って言うんだよ。警察に言われたら逮捕されてしまう。示談金を払えば逮捕されずに済む。母さん,頼む,助けてほしい。」などと嘘を言った。Vは,電話の相手が息子であり,50万円をAに払わなければ,息子が逮捕されてしまうと信じ,50万円をすぐに準備する旨答えた。甲は,Vに対し,上記A名義の預金口座の口座番号を教え,50万円をすぐに振り込んで上記携帯電話に連絡するように言った。Vは,自宅近くのB銀行C支店において,自己の所有する現金50万円を上記A名義の預金口座に振り込み,上記携帯電話に電話をかけ,甲に振込みを済ませた旨連絡した。
4 上記振込みの1時間後,たまたまVに息子から電話があり,Vは,甲の言ったことが嘘であると気付き,警察に被害を申告した。警察の依頼により,上記振込みの3時間後,上記A名義の預金口座の取引の停止措置が講じられた。その時点で,Vが振り込んだ50万円は,同口座から引き出されていなかった。
1 甲は,上記振込みの2時間後,友人である丙に,上記2及び3の事情を明かした上,上記A名義の預金口座から現金50万円を引き出してくれれば報酬として5万円を払う旨持ちかけ,丙は,金欲しさからこれを引き受けた。甲は,丙に,上記A名義の預金口座のキャッシュカードを交付して暗証番号を教え,丙は,上記振込みの3時間10分後,現金50万円を引き出すため,D銀行E支店(支店長F)のATMコーナーにおいて,現金自動預払機に上記キャッシュカードを挿入して暗証番号を入力したが,既に同口座の取引の停止措置が講じられていたため,現金を引き出すことができなかった。なお,金融機関は,いずれも,預金取引に関する約
款等において,預金口座の譲渡を禁止し,これを預金口座の取引停止事由としており,譲渡された預金口座を利用した取引に応じることはなく,甲,乙及び丙も,これを知っていた。

出題趣旨
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by strafrecht_bt | 2013-06-22 11:57 | 司法試験予備試験
2013年 06月 19日

演習問題

以下の事例(1)-(3)のそれぞれの場合について、甲及び乙の罪責を論じなさい。
甲(49歳)は、インターネット上の掲示板で被害者の女性Vに成りすまし、乗車日時や車両、服装などを記載し、「私に痴漢してくれる人いませんか」と痴漢を呼びかける内容の書き込みをした。これを見た大阪府内の男性乙(26歳)が、掲示板に記載された日時にJR和歌山線粉河―和歌山間を走行中の電車内でVの下半身などを触り、通報により駆けつけた県警警察官に現行犯逮捕された。
(1)乙は書き込みはV本人によってなされたものであり、当該行為に同意しているものと信じていた。
(2)乙はVが同意していないことことに気づいたが.それに関わらず実行行為を行った。
(3)乙が書き込みを信じて列車には乗ったが、本当にVが同意しているかどうか疑問が生じて実行行為は行わなかった。

参考新聞記事
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by strafrecht_bt | 2013-06-19 12:37 | 刑法演習
2013年 06月 17日

演習問題

日本の貨物船が太平洋の公海上で沈没し、A(インド人の少年17歳)、B(Aの母親)、C(台湾人の船員)、D(船のコック)の4人だけが生き残り、救命ポートで漂流していた。Cは足を骨折していたが,その足は感染症で腫れ上がり、そのままでは命が危ない状態になった。Dは、Cの足を切り落とした。しかしCは死んでしまった。BはCの肉を食べた。翌日、BはDに対して「食べるために死なせたのね」と非難した。怒ったDはBを殴り傷害を負わせたが、Aはただ見ているしかなかった。その後もDはCの肉を食べ続けた。一週間後、Aは、捕まえた亀を誤って逃がしてしまい、Dから殴られた。BはAをイカダに逃がしたが、自分ははイカダの方には来ず、Aはボートに戻ったがすでに遅く、Dはナイフで殺害したBの体を海に投げ捨て、Bの体はサメに食いちぎられた。翌日、AはDに襲いかかり、奪い取ったナイフでDを殺し、その肉を食べた。その後Aは救助されたが、Dの肉を食べていなければ餓死していたであろうという状況であった。
(問1)上の事例で日本刑法は適用できるか。
(問2)Aの罪責について論じなさい。
(問3)上の事例でDがAからの攻撃に対しナイフで防御し、それによってAが死亡し、その後Aの肉を食べた後に、救助されたという場合(Aの肉を食べていなければ餓死していたであろうという状況であった。)のDの罪責について論じなさい。
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by strafrecht_bt | 2013-06-17 21:54 | 刑法演習
2013年 06月 15日

2013〔第9問〕(配点:2) 「罪数」

〔第9問〕(配点:2) 「罪数」
次の【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものはどれか。(解答欄は, [No15])
【見 解】
恐喝の目的で人を監禁し,その監禁中に同人を脅迫して現金を喝取した場合,監禁罪と恐喝罪が成立し,両者は併合罪の関係になる。
【記 述】
1.この見解は,監禁行為と恐喝行為とが社会的に見て一個の行為であると考えている。
2.この見解は,監禁が恐喝の手段として用いられることが類型的に予定されることを根拠としている。
3.この見解は,数個の犯罪の牽連性を,行為者の主観によって判断すべきであると考えている。
4.この見解は,監禁罪と恐喝罪の罪数関係を,判例における逮捕罪と監禁罪の罪数関係と同様に考えている。
5.この見解は,監禁罪と恐喝罪の罪数関係を,判例における監禁罪と殺人罪の罪数関係と同様に考えている。

正解と解説
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by strafrecht_bt | 2013-06-15 08:00 | 司法試験予備試験
2013年 06月 15日

2013〔第8問〕(配点:2)「詐欺罪」

〔第8問〕(配点:2)「詐欺罪」
詐欺の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものは
どれか。(解答欄は,[No14])
1.国や地方公共団体が所有する財物は,刑法第246条第1項の詐欺罪における「財物」には
当たらない。
2.家賃を支払う意思も能力もないのに,これがあるように装って大家をだましてアパートの一
室を借り受けた場合,刑法第246条第1項の詐欺罪が成立する。
3.商品買受けの注文の際,代金支払の意思も能力もないのに,そのことを告げることなく,単
純に商品買受けの注文をした場合,その注文行為が刑法第246条第1項の詐欺罪における作
為による欺罔行為となる。
4.相手方を欺罔して錯誤に陥らせ,これにより相手方から財物の交付を受けたとしても,錯誤
に陥ったことに相手方の過失が認められるときには,刑法第246条第1項の詐欺罪は成立し
ない。
5.知慮浅薄な未成年者を欺罔して錯誤に陥らせ,これにより未成年者から財物の交付を受けた
場合,刑法第248条の準詐欺罪が成立する。

正解
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by strafrecht_bt | 2013-06-15 07:56 | 司法試験予備試験
2013年 06月 14日

〔第20問〕(配点:2)「各論総合」

〔第20問〕(配点:2)=予
次の【事例】における甲の罪責に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検
討し,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[No38],[No39]順不同)
【事 例】
甲は,深夜,帰宅しようと歩いていたところ,道端に見ず知らずのAが重傷を負って倒れてい
るのを見付けた。甲は,周囲にA以外の誰もおらず,Aには意識があるものの,動ける状態では
なかったことから,これに乗じて,Aの傍らに落ちていたAのかばんの中から金品を持ち去って
自分のものにしようと考え,Aに対し,「もらっていくよ。」と言って,同かばんからAの財布を
取り出して自分のかばんの中に入れた上,Aを救護することなくそのまま放置してその場を立ち
去った。甲は,自宅に戻り,Aの財布の中を見たところ,現金約1万円のほか,1大きさや重さ
は五百円硬貨と同じであるものの,中央に穴が開けられ,模様もない円形の金属片10枚,2ク
レジットカードと同じ大きさであるものの,外観上何ら印刷が施されておらず,4桁の数字が手
書きで書かれ,磁気ストライプらしき黒いテープが貼られているプラスチック製の白色カード1
枚を見付けた。甲は,1の金属片はAが自動販売機等で商品を購入する際などに使うつもりで持
っていたものだろうと考え,同金属片10枚を1本100円の缶ジュースの自動販売機に順次投
入して購入ボタンを押し,出てきたジュース10本と釣銭合計4000円を自分のものにした。
また,2の白色カードは,他人のクレジットカードの磁気情報をコピーして不正に作成されたカ
ードであったが,甲は,そのことを認識した上,同カードに書かれた4桁の数字がその暗証番号
に違いないと考え,後日同カードを現金自動預払機に挿入して現金を引き出すつもりで,同カー
ドを自宅に保管しておいた。
【記 述】
1.甲が上記重傷を負ったAを放置して立ち去った行為には,単純遺棄罪が成立する。
2.甲が上記Aの財布を自分のかばんに入れて持ち去った行為には,窃盗罪が成立する。
3.甲が上記金属片を自動販売機に投入した行為には,偽造通貨行使罪が成立する。
4.甲が上記金属片を自動販売機に投入してジュースと釣銭を得た行為には,電子計算機使用詐
欺罪が成立する。
5.甲が上記白色カードを自宅に保管しておいた行為には,不正電磁的記録カード所持罪が成立
する。
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by strafrecht_bt | 2013-06-14 07:16 | 司法試験
2013年 06月 14日

〔第18問〕(配点:2)「横領罪」

〔第18問〕(配点:2)=予
横領の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものは
どれか。(解答欄は,[No36])
1.横領罪の「占有」とは,物に対して事実上の支配力を有する状態をいい,物に対して法律上
の支配力を有する状態を含まない。
2.株式会社の代表取締役には,同社の所有物について,横領罪の「占有」は認められない。
3.横領罪の「物」は,窃盗罪における「財物」と同義であり,不動産は横領罪の客体とはなら
ない。
4.法人の金員を管理する者が,同法人の金員を支出した場合,同支出が商法その他関係法令に
照らして違法であっても,横領罪の「不法領得の意思」が認められないことがある。
5.業務上横領罪の「業務」には,社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われる事務であ
れば,いかなる事務も含まれる。
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by strafrecht_bt | 2013-06-14 07:15 | 司法試験