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2013年 11月 23日

古典語(ラテン語/古典ギリシャ語)の基礎(2)【発音】

第2課 発音
Α ラテン語
(山下10-13頁、アクセント14-16頁)
1.母音
a. 短/長母音
a/ā
e/ē
i/ī
o/ō
u/ū
y/ȳ
b. 二重母音
ae
au
ei
eu
oe
ui 
2.子音
b:sとtの前(-bs,-bt)ではpと発音する
c=kカ行
hはフランス語等と異なり「ハ行」で発音する
j(子音[半母音])ヤ行
**母音にはさまれたj:「短母音+i+j+母音」(山下12)
例:mājor=maijorマイヨル
q->qu=kw (quというかたちでしか用いられない)例:qui=クウィ、quo=クオ
sドイツ語と異なり常に濁らず「サ行」で発音する
v英語のwと同じ発音
x=ks
zザ行
*アクセント
i. 1音節語ー>その音節 例外:接続的な語(er、sed等)アクセントなし
ii. 2音節語ー>最初の音節
iii.3(以上)音節語ー>語末から2番目の音節がa)長い場合->その音節、b)短い場合ー>語末から3番目の音節
Β ギリシャ語
1.母音
α. 短母音

Ααアルパ(アルファ)母音ア(短)/アー(長)
Εεエ・プシーロン母音エ(短)
Ιιイオータ母音イ(短)/イー(長)
Οοオ・ミークロン母音オ
β.長母音
Ααアルパ(アルファ)母音ア(短)/アー(長)
Ηηエータ母音エー(長)
Ιιイオータ母音イ(短)/イー(長)
Ωωオー・メガ母音オー(長)
Υυユー・プシーロン母音ユ(短)/ユー(長)
γ.二重母音
αιアイ
ειエイ
οιオイ
αυアウ
ευエウ
ου*ウー
ηυエーウ
*分節符(ドイツ語のウムラウトみたいな形のもの、フランス語のトレマ tréma ):二重母音を分けて発音する場合に付けられる[+]
*下書きのイオタ[|]
ᾳアー(アーイ) ῃエー(エーイ) ῳオー(オーイ)
2. 子音
Ββベータ子音ブ
Γγガムマ子音グ
Δδデルタ子音ド
Ζζゼータ子音ズ(dz二重子音)
Θθテータ子音(破裂する感じの)ト
Κκカッパ子音ク
Λλラムダ子音ル(英語のL)
Μμミュー子音ム
Ννニュー子音ン
Ξξクシー子音クス(ks二重子音)
Ππピー(パイ)子音プ
Ρρロー子音ル (英語のRよりも強く)
Σσςシーグマ子音ス
Ττタウ子音ト
Φφピー子音(破裂する感じの)プ
Χχキー子音(強い感じの)ク
Ψψプシー子音プス(ps二重子音)
*二重子音
Ζζゼータ子音ズ(dz二重子音)
Ξξクシー子音クス(ks二重子音)
Ψψプシー子音プス(ps二重子音)
*語頭母音の気息(フ)
α.有気息記号[(]
β.無気息記号[)]
**アクセント記号
α.鋭アクセント[/] 例:ά
β.重アクセント(最後の音節にアクセントがある語に別の語が続く場合、前の語が無アクセント化するときの記号)[`]例:ὰ
γ.曲アクセント(本には「英アクセントがある母音と重アクセントがある母音と結びついて1音節になった二重母音や長母音に付ける」と書いてありますが、正直言ってどのような場合に付けられるのかよく解りません)[=]例:ᾶ
*アクセント記号は気息記号と共に付けられることが多いので注意:例:ἅἃἇἄἂἆ
【練習】次の語や人名をカタカナで表記しなさい。
(1)αρχη(=Urgrund「はじめ・原初・根源」)
(2)Θαλῆς ὁ Μιλήσιος  (Thales von Milet ; * um 624 v. Chr.; † um 547 v. Chr.)
(3)Ἀναξίμανδρος (Anaximander;* um 610 v. Chr. in Milet; † nach 547 v. Chr. in Milet)
(4)ἄπειρον(= Apeiron ἀ- "without" + πεῖραρ "end, limit"「限定されないもの」)
(5)Ἀναξιμένης (Anaximenes; * ca. 585 v. Chr. in Milet; † zwischen 528 und 524 v. Chr.)
(6)Πλωτῖνος (Plotin ; * 205; † 270 auf einem Landgut in Kampanien)
(7)Ναυσικάα
【問題2】
(1)次の名詞に長母音記号をつけ(ā/ē/ī/ō/ūなど、付かないものもある)、発音に注意して読みなさい。
α.homo
β.pater
γ.mater
δ.filius
ε.filia
ϛ. rex
ζ. Caesar
η. Zenon(ヒント:ギリシャ語ではΖήνων )
(2)次の人名(大文字)を小文字混ざりでアクセント記号等をつけて表記しなさい。
α. ΙΠΠΟΚΡΑΤΗΣ
β. ΑΡΙΣΤΟΤΕΛΗΣ
γ. ΣΟΦΟΚΛΗΣ
δ. ΑΙΣΩΠΟΣ
ε. ΕΥΡΙΠΙΔΗΣ
ϛ. ΑΧΛΛΕΥΣ
ζ. ΟΙΔΙΠΟΥΣ
η. ΟΜΗΡΟΣ
θ. ΣΩΚΡΑΤΗΣ
ι. ΠΛΑΤΩΝ

前回の復習と正解
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by strafrecht_bt | 2013-11-23 23:34 | 古典語
2013年 11月 22日

古典語(ラテン語/古典ギリシャ語)の基礎(1)【アルファベット】

【目標】欧米の法学や哲学の文献を読むと頻繁にラテン語(ラテン語ほどではありませんがしばしば古典ギリシャ語の)の語句が引用されています。引用句辞典もありますが,すべては載っていません。少なくとも辞書をひいて語句を調べられるようにしましょう(両言語では語形、特に名詞と動詞が大きく変化するので、辞書をひけるようになるまでがなかなか大変です)。まず辞書を引くにはアルファベットの順番を覚える必要があります。ラテン語は英語/ドイツ語などとほぼ同じなので簡単ですが、ギリシャ語はかなり異なるのでまずはアルファベットを順番にしっかりと暗記しておく必要があります。ギリシャ語もできれば文法も学んだほうがよいですが、まずはアルファベットの大文字と小文字をマスターして音読できるようにしておきましょう。
なおギリシャ語はパスしてラテン語文法だけ学びたいという人は3に進んで下さい。
*Nota bene!:私はラテン語はある程度読めますが、ギリシャ語については初心者で以下の説明もかなりいい加減なので、あまり信用せず、参考文献に挙げてある入門書などを必ず併読して下さい。
【参考文献】しっかり学ぶ初級ラテン語CDエクスプレス古典ギリシャ語
第1課 アルファベット
Α ラテン語のアルファペット(山下9-10頁)
Aaアー
Bbベー
Cc*ケー
Ddデー
Eeエー
Ffエフ
Ggゲー
Hhハー
Iiイー
(Jj)
Kk*カー
Llエル
Mmエム
Nnエヌ
Ooオー
Ppペー
Qqクー
Rrエル*
Ssエス
Ttテー
(Uu)
Vvウー
Xxイクス
*Yy*ユー
*Zzゼータ
ラテン語のアルファベットの読み方は、大体ドイツ語と同じ(というかドイツがラテン語のアルファベットの読み方を採用した)
読み方が異なるものだけ覚えましょう
なおローマ時代には大文字しかありませんでしたので、ローマ時代の遺跡などの文字はすべて大文字で書かれています(小文字は中世になって作られたものです)。
Ccは「ツェー」ではなく「ケー」
IiJjは元々同じ語で古いラテン語にはJjはありませんでした。のちにJjがつくられIiは母音、Jiは子音を表すようになりました。
*Kkカーは発音はCcと同じKal.=Kalendaeなど2、3の語にしか用いられません
Qqクー->qu[kw]という組み合わせでのみ用いられます)
Vvは「ファオ」ではなく「ウー」
VvとUuは元々同じ語で古いラテン語にはUuはありませんでした。のちにUuがつくられUuは母音、Vvは子音を表すようになりました。
(Wwはラテン語にはありません)
*Yy*ユーとZzゼータはギリシャ語のΥυユー・プシーロンとΖζゼータでギリシャ語からの外来語にのみ用いられます
Β ギリシャ語のアルファベット
ギリシャ語をパソコンで入力するにはhttp://www.typegreek.com/を用いるのが一番簡単です。[ ]は日本語(英語)キーボードとの対応を示しています(読み方は荒木 英世 『エクスプレス 古典ギリシア語』9頁による)
Ααアルパ(アルファ)母音ア(短)/アー(長)[a]
Ββベータ子音ブ [b]
Γγガムマ子音グ [g]
Δδデルタ子音ド [d]
Εεエ・プシーロン母音エ(短)[e]
Ζζゼータ子音ズ(dz二重子音)[z]
Ηηエータ母音エー(長)[h]
Θθテータ子音ト [q]
Ιιイオータ母音イ(短)/イー(長)[i]
Κκカッパ子音ク [k]
Λλラムダ子音ル [l]
Μμミュー子音ム [m]
Ννニュー子音ン [n]
Ξξクシー子音クス(ks二重子音)[c]
Οοオ・ミークロン母音オ [o]
Ππピー(パイ)子音プ [p]
Ρρロー子音ル [r]
Σσςシーグマ子音ス(σは語頭・語中、ςは語尾)[s]
Ττタウ子音ト [t]
Υυユー・プシーロン母音ユ(短)/ユー(長)[u]
Φφピー(フィー)子音プ [f]
Χχキー(カイ)子音ク [x]
Ψψプシー子音プス(ps二重子音)[y]
Ωωオー・メガ母音オー(長)[w]
*他にも普通は使われなくなった文字としてϜϝディガンマ[v]、Ϛϛ(= 6) スティグマ 、 Ϟϟ (=90)コッパ、Ϡϡ (=900)サンピなどがある(後の3つは数詞としてのみ用いられる)。
なお詳しくは次回に説明しますが語頭の母音には気息記号がつき、有気息記号[(]:例えばἉἁは「ハ」と発音し、無気息記号[)]: Ἀἀは「ア」と発音します。大文字だけで書く場合はこの記号は書きません。
練習:http://www.typegreek.com/でαからωまでを大文字と小文字で書いてみましょう。
【問題1】
(1)次のラテン語を小文字(文頭は大文字、vとu、jとiも書き分けること)で書きなさい。なおこれは紀元前450年頃に成立したされるある法律の一部でそのころにはGの文字がありませんでしたので、CとGも書き分ける必要があります.例えばERCOはERGOです)
c0066435_19101414.jpg

(2)次の人名(大文字)を読みなさい
α. ΙΠΠΟΚΡΑΤΗΣ
β. ΑΡΙΣΤΟΤΕΛΗΣ
c0066435_23541697.jpg

γ. ΣΟΦΟΚΛΗΣ
δ. ΑΙΣΩΠΟΣ
ε. ΕΥΡΙΠΙΔΗΣ
c0066435_23562421.jpg

ϛ. ΑΧΙΛΛΕΥΣ
ζ. ΟΙΔΙΠΟΥΣ
η. ΟΜΗΡΟΣ
θ. ΣΩΚΡΑΤΗΣ
c0066435_10314163.jpg

ι. ΠΛΑΤΩΝ
c0066435_06577.jpg


正解
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by strafrecht_bt | 2013-11-22 19:27 | 古典語