刑法授業補充ブログ

strafrecht.exblog.jp
ブログトップ

<   2014年 06月 ( 16 )   > この月の画像一覧


2014年 06月 30日

【204条注釈】傷害罪

「刑法」明治四十年四月二十四日法律第四十五号
【条文】

【注釈】
1客体
(1)「人」
(2)胎児傷害
2行為
(1)傷害の意義(山口218頁)
ア 学説
イ 判例「生活機能の毀損、健康状態の不良変更」
(2)傷害の程度
(3)無形的方法による傷害の可能性(暴行によらない傷害)
3故意
4傷害と同意
*傷害罪に未遂規定はない!
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-30 11:45 | 刑法注釈
2014年 06月 30日

【208条注釈】暴行罪

「刑法」明治四十年四月二十四日法律第四十五号
【条文】

【注釈】
1 暴行の意義
(1)暴行の意義
「人に対する物理力の行使」(山口217頁)
*接触の必要性
(2)暴行の手段
(3)暴行と傷害の関係
2 故意
3 違法阻却事由
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-30 11:34 | 刑法注釈
2014年 06月 23日

刑法2(各論)【全体の講義計画】

刑法2(各論)講義(2014/15秋学期)レジュメ
【授業内容】(基本的にコアカリキュラムに沿って授業を行うが,一部順番を入れ替え,追加項目もあり、いくつかの項目は時間外学習にまわした。従来私の講義では教科書・判例集は指定せず講義を行ってきたが、市販の標準的な教科書・判例集を使ってほしいという要望があったので以下の教科書・判例集を指定する(必ず授業の際には持参すること)。
【教科書】山口厚『刑法』(第2版・2011年)
【判例集】西田典之・山口厚・佐伯仁志『判例刑法各論』(第6版・2013年)
*犯罪の分類(法益による分類)
①個人的法益に対する罪
②社会的法益に対する罪
③国家的法益に対する罪
条文の順序(若干の例外あり):③->②->①
*古い教科書などでは、この順序で講義がなされてきたが、現行憲法の価値観(憲法13条参照)/実務的重要性等に鑑み、本講義の順序は①->②->③とする。
①個人的法益に対する罪(第1~9回)->②社会的法益に対する罪(第10~13回)->③国家的法益に対する罪(第14・15回)

第1回 生命に対する罪 (山口204-215頁)
殺人の罪(生命の始期・終期、自殺関与罪との関係、殺人予備)、堕胎の罪、遺棄の罪を論じる。
第2回 身体に対する罪(山口216-229頁)
傷害の罪(傷害の意義、胎児性致死、現場助勢罪、同時傷害の特例)、堕胎の罪、遺棄の罪を論じる。
第3回 自由に対する罪 (山口230-257頁)
逮捕監禁、脅迫、略取誘拐の罪のほか、性的自由に対する罪、住居侵入罪を論じる。
第4回 人格的法益、信用・業務に対する罪(山口258-276頁)
住居を侵す罪、秘密を侵す罪、名誉に対する罪(法益、名誉・侮辱の意義とその区別、真実性の証明)、信用・業務に対する罪(業務の意義、公務執行妨害罪との関係)を論じる。
第5回 財産罪の基本構造 (山口277-290頁)
財産罪の意義・体系・諸類型、財物・財産上の利益の意義、(窃盗罪を中心とした)財産罪の保護法益、占有の意義の意義等について論じる。
第6回 財産罪の諸類型(1)―窃盗・強盗(山口290-310頁)
窃盗の罪と強盗の罪について論じる。強盗の手段としての暴行・脅迫、1項強盗と2項強盗の要件、準強盗、240条(強盗致死傷罪)等につき論じる。
第7回 財産罪の諸類型(2)―詐欺・恐喝 (山口311-329頁)
詐欺の罪と恐喝の罪について論じる。詐欺の成立要件(詐欺行為、錯誤に基づく処分行為、損害の要否等)、1項詐欺と2項詐欺の要件についで、恐喝の成立要件、とくに権利行使と脅迫・恐喝について論じる。
第8回 財産罪の諸類型(3)―横領・背任 (山口330-351頁)
横領罪・背任罪の罪質、横領行為・背任行為の意義、占有の意義、背任における損害の意義などを論じ、横領と背任の区別、横領・背任と共犯について論じる。
第9回 財産罪の諸類型(4)―盗品関与・毀棄 (山口351-365頁)
盗品等関与罪の本質、諸類型、毀棄罪の諸類型と「隠匿」と「毀棄」の関係などを論じる。

第10回 放火の罪 (山口370-380頁)
放火罪の本質(抽象的危険犯・具体的危険犯の意義)、「放火」「焼損」「建造物」の意義などを論じ、放火罪の各類型について、その違いを明確にする。
第11回 風俗に対する罪(山口430-440頁)
特にインターネット上のわいせつ頒布等の罪について論じ、それに関連して他のインターネット(サイバー)犯罪についてもここで論じる。
第12回 偽造罪(1)―文書偽造の罪(山口392-414頁)
偽造罪の意義の理解の前提として、形式主義、実質主義の意義、有形偽造・無形偽造の区別を中心に、「文書」の意義等も論じる。
第13回 偽造罪(2)―通貨・有価証券・印章の偽造・支払用カードの不正作出等(山口387-392、415-429頁)
その他の類型の偽造犯罪について論じる。

第14回 国家の作用に対する罪(1)―公務執行妨害罪・司法作用に関する罪 (山口447-479)
公務執行妨害罪と犯人蔵匿および証拠隠滅の罪を中心に、偽証の罪、虚偽告訴の罪について、特にこれらの罪についての共犯の問題も含めて論じる。
第15回 国家の作用に対する罪(2)-汚職の罪(山口479-494頁)
職権濫用の罪と賄賂の罪を論じる。まず、賄賂罪の本質を論じ、賄賂と職務の意義、職務密接関連行為の意義、賄賂の罪の諸類型について解説する。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-23 14:13 | 刑法Ⅱ(各論)
2014年 06月 23日

2014〔第15問〕(=予備〔第11問〕)(配点:2)「過剰避難」

次の【事例】及び各【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[№28])
【事例】
甲は,乙から裁判の証人として請求されてX裁判所から呼出しを受けたところ,証人尋問期日の3日前にその不出頭を懸念した乙から「俺が裁判所まで連れて行くから,証人尋問の日までここにいろ。」と言われ,見張りを付けられてマンションの一室に監禁された。甲は,自己の生命身体に対する危険は感じなかったものの,証人として出廷したくないと思い,同室に放火して騒ぎを起こし,見張りの者が消火に当たっている隙に逃亡しようと考え,同室の壁等に灯油をまいて放火し,同室の一部及びその上階の第三者が住む部屋の一部を焼損させた。
【見解】
A説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが,当該行為が危難を避けるための一つの方法と認められれば,法益権衡の要件を欠いても過剰避難が成立する。
B説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが,「やむを得ずにした行為」でなくとも法益権衡の要件を充たしていれば過剰避難が成立し,また,「やむを得ずにした行為」であって,法益権衡の要件を欠く場合にも過剰避難が成立する。
C説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難,過剰避難とも認められず,過剰避難は,「やむを得ずにした行為」であって,かつ,法益権衡の要件を欠く場合に成立する。
【記述】
1.【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,A説からは甲に過剰避難が成立することになる。
2.【事例】に,更に「事件当時,甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合,B説からは甲に過剰避難が成立することになる。
3.【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,C説からは甲に過剰避難が成立することになる。
4.【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,B説からは甲には緊急避難の成立も過剰避難の成立も認められない。
5.【事例】に,更に「事件当時,甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合,C説からは甲に過剰避難が成立することになる。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-23 12:11 | 司法試験
2014年 06月 23日

2014〔第13問〕(=予備〔第7問〕(配点:3)「故意」

故意に関する次の各【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[№24],[№25]順不同)
【見解】
A説:故意の有無については,構成要件を基準にして判断すべきであり,殺人罪においては,行為者の認識した事実と発生した事実が,およそ「人を殺す」という点で一致していれば故意が認められる。
B説:故意の有無については,構成要件を基準にして判断すべきであるが,殺人罪においては,行為者の認識した事実と発生した事実が,「その人を殺す」という点で一致していなければ故意は認められない。
【記述】
1.A説に対しては,客体の錯誤と方法の錯誤の区別が必ずしも明らかではない場合があり,その場合の故意の有無につき,どのように判断するのか明確ではないとの批判がある。
2.B説に対しては,故意以外の構成要件該当性は法益主体ごとに判断するのに,故意の有無についてのみ法益主体の相違を問題にしないのは論理的でないとの批判がある。
3.侵害が生じた客体に錯誤はないが,侵害に至る因果関係に錯誤がある場合の故意の有無について,A説かB説かによる差はない。
4.駅のホームにいた人を甲だと思い,甲を殺そうと考え,電車が近づいてきたときにその人をホームから突き落としてれき死させたところ,その人が甲ではなく,別人の乙であった場合,A説・B説のいずれによっても,乙に対する殺人罪の故意が認められることになる。
5.狩猟中,動く物体を見付け,これを日頃から恨みを抱いていた甲だと思い,甲を殺そうと考え,その動く物体を狙って猟銃を発砲し,これに弾丸を命中させたが,実際に弾丸が命中したのは,甲ではなく,甲の飼い犬であった場合,A説によれば器物損壊罪の故意が認められ,B説によれば同罪の故意が認められないことになる。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-23 12:07 | 司法試験
2014年 06月 23日

2014〔第11問〕(配点:3)罪数

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[№21],[№22]順不同)
1.甲は,乙に対し,丙の日本刀を盗んでくれば高値で買ってやると申し向け,乙が盗んできた日本刀を買い受けた。甲には,窃盗教唆罪及び盗品等有償譲受け罪が成立し,これらは併合罪となる。
2.甲は,乙が強盗を行うつもりであることを知りながら,乙に模造拳銃1丁を貸し与えたところ,乙は,2店のコンビニエンスストアで,同模造拳銃を使ってそれぞれ強盗を行った。甲には,2個の強盗幇助罪が成立し,これらは併合罪となる。
3.甲は,乙を殺害する目的で乙が居住する家に侵入し,乙及び偶然その場に居合わせた丙をそれぞれ殺害した。甲には,乙に対する住居侵入罪及び殺人罪が成立し,これらは牽連犯となり,これと丙に対する殺人罪が併合罪となる。
4.甲は,強盗の目的で,路上を連れ立って歩いていた乙及び丙に対し,包丁の刃先を両名の方に向けながら「お前ら金を出せ。出さないと殺すぞ。」と言って脅迫し,両名からそれぞれ現金を奪った。甲には,2個の強盗罪が成立し,これらは併合罪となる。
5.甲は,恐喝の手段として乙を監禁し,乙から現金を喝取した。甲には,監禁罪及び恐喝罪が成立し,これらは併合罪となる。

正解と解説
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-23 12:03 | 司法試験
2014年 06月 23日

2014〔第9問〕(配点:2)実行の着手

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。(解答欄は,[№15])
1.甲は,電話線を盗む目的で,電柱に架設されていた電話会社所有の電話線を切断しているところを警察官に発見された。甲には窃盗罪の実行の着手が認められる。
2.甲は,深夜,金品窃取の目的で電器店に侵入し,懐中電灯で真っ暗な店内を照らしたところ,陳列棚に電気器具類があることを認識したが,なるべく現金を盗みたいと思い,歩いてレジの前に至ったところで警備員に発見された。甲には窃盗罪の実行の着手が認められる。
3.甲は,夜間,一人で歩いていたV女を見付け,約5キロメートル先のひとけのない工事現場にV女を連れ込んで強姦することを決意し,V女を殴って失神させた上,近くに停めていたダンプカーの助手席にV女を乗せて発進させた。甲には強姦罪の実行の着手が認められる。
4.甲は,X の住んでいる家を焼損する目的で,これと約50センチメートル隔てて隣接している木造物置小屋の中のわらや薪に灯油をまいて放火したが,物置小屋の一部を焼損するにとどまった。甲には現住建造物等放火罪の実行の着手が認められる。
5.甲は,登校中の子供に毒入りジュースを飲ませてこれを殺害する目的で,前日の夜に,夜間は人通りのない通学路に致死量を超える毒を混入させたペットボトル入りのジュースを置いた。甲には殺人罪の実行の着手が認められる。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-23 11:59 | 司法試験
2014年 06月 22日

2014〔第17問〕(=予備〔第3問〕)(配点:2)間接正犯の実行の着手・間接正犯と教唆の錯誤

〔第17問〕(配点:2)
教授Xと学生Yは,次の【事例】における甲の罪責について後記【会話】のとおり検討している。【会話】中の①から⑤までの( )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№31])
【事例】
甲は,Vが宅地造成地に駐車して所有・占有していたパワーショベルを盗もうと思い,重機販売業者の乙に前記パワーショベルを同所から搬出させた。
【会話】
教授X.【事例】において,甲が,事情を全く知らない乙に対し,前記パワーショベルは甲の所有・占有である旨説明して売却し,乙に前記パワーショベルを搬出させたという事実関係があるとしましょう。甲の罪責はどうなりますか。
学生Y.パワーショベルを搬出したのは乙ですが,乙は,事情を全く知らず,規範的障害のないままパワーショベルを搬出したので,乙には窃盗罪の①(ア.故意・イ.法益侵害)がないと思います。甲は,乙を道具のように利用してVのパワーショベルを盗んだので,窃盗罪の間接正犯が成立すると思います。
教授X.甲には,いつの時点で窃盗罪の実行の着手が認められるのですか。
学生Y.私は,実行の着手は法益侵害の具体的危険が発生した時に認められると考えた上で,間接正犯の場合には,被利用者の行為開始時に実行の着手が認められると考えます。したがって,②(ウ.乙が甲との間でパワーショベルを購入する契約を締結した時に・エ.乙がパワーショベルを搬出する作業を開始した時に),甲には実行の着手が認められると思います。
教授X.では,【事例】において,甲が,パワーショベルを盗むため,事情を知らない乙に先ほどと同様の説明をして売却したが,その後,乙が,宅地造成地に向かう途中で甲の計画にたまたま気付き,自分のものにするつもりでパワーショベルを盗むことを自ら決意して搬出したという事実関係があるとしましょう。先ほどの場合と何か違ってきますか。
学生Y.乙は,盗むことを自ら決意してパワーショベルを搬出したのですから,乙には窃盗罪の③(オ.正犯・カ.幇助犯)が成立します。そして,乙には,パワーショベルを搬出する前に甲の計画を知って規範的障害が認められるので,もはや甲の道具とはいえません。したがって,乙が搬出した行為を甲の実行行為と評価することはできません。
教授X.その場合の甲の罪責はどうなりますか。
学生Y.甲は,間接正犯を犯す意思で,客観的には乙に窃盗を決意させたので,甲には,窃盗既遂罪の④(キ.幇助犯・ク.教唆犯)が成立すると思います。
教授X.これはY君の考え方とは異なるのですが,間接正犯の実行の着手時期につき,利用者が被利用者を道具として利用した時点とする考え方に立った場合,結論はどのように変わりますか。
学生Y.甲には,窃盗既遂罪の④(キ.幇助犯・ク.教唆犯)のほかに,⑤(ケ.窃盗未遂罪・コ.窃盗既遂罪)の間接正犯が成立すると思います。
1.①ア②エ③オ④ク⑤ケ
2.①イ②ウ③オ④キ⑤コ
3.①ア②エ③オ④ク⑤コ
4.①イ②ウ③カ④キ⑤コ
5.①ア②エ③カ④キ⑤ケ
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-22 13:36 | 司法試験
2014年 06月 18日

2014〔第19問〕(配点:3)共謀共同正犯

次の【事例】及び【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[№33],[№34]順不同)
【事例】
暴力団組長である被告人は,被告人を警護するスワットと呼ばれる複数のボディーガードを配下に持ち,被告人が車両で移動する際には,拳銃及びそれに適合する実包(以下「拳銃等」という。)を携帯したスワットが被告人車両の前後の車両に乗車するなどして,被告人を警護することを常としていた。被告人は,本件犯行時,車両で移動したが,その際,拳銃等を携帯したスワットらが被告人車両の前後の車両に乗車し,被告人車両と隊列を組んで移動するなどして,被告人の警護に当たった。
【判旨】
被告人は,スワットらに対して拳銃等を携行して警護するように直接指示を下さなくても,スワットらが自発的に被告人を警護するために本件拳銃等を所持していることを確定的に認識しながら,それを当然のこととして受け入れて認容し,そのことをスワットらも承知しており,被告人とスワットらとの間に拳銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があった。そして,スワットらは被告人の警護のために本件拳銃等を所持しながら終始被告人の近辺にいて被告人と行動を共にしていたものであり,彼らを指揮命令する権限を有する被告人の地位と彼らによって警護を受けるという被告人の立場を併せ考えれば,実質的には,正に被告人がスワットらに本件拳銃等を所持させていたと評し得る。よって,被告人には,本件拳銃等の所持について,スワットらとの間で,銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪の共謀共同正犯が成立する。
【記述】
1.【判旨】の考え方によれば,共謀共同正犯が成立するためには,実行行為者とその背後者の間に明示の意思連絡が常に必要なわけではない。
2.【判旨】の考え方によれば,およそ実行行為者とその背後者の間に意思連絡がある場合には,背後者について狭義の共犯が成立することはなく,共謀共同正犯が成立することとなる。
3.【判旨】の考え方によれば,共謀共同正犯が成立するためには,一般に,実行行為を行わない者に実行行為者に対する指揮命令権限が必要である。
4.【判旨】の考え方によれば,仮に【事例】において,現実には被告人がスワットらの拳銃等の所持を認識・認容していたのに,スワットらは,これらの所持に被告人が気付いていないと思っていた場合でも,被告人には共謀共同正犯が成立することとなる。
5.【判旨】では,被告人が犯行現場付近にいて犯行と密接な関係を保っていたことや被告人の組織内での地位が,被告人を共同正犯と評価する上での重要な事情として考慮されている。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-18 11:40 | 司法試験
2014年 06月 18日

2014〔第16問〕(配点:3)共犯の処罰根拠・犯人隠避罪の教唆

次の1から5までの各記述のうち,犯人が他人を教唆して自己を隠避させた場合に犯人隠避教唆罪の成立を認める見解の根拠となり得るものを2個選びなさい。(解答欄は,[№29],[№30]順不同)
1.教唆犯の処罰根拠は,正犯者を犯罪に引き込み,有責で処罰される状態に陥れたことにある。
2.犯人隠避は,隠避させる者に犯人が働き掛けることによって行われるのが通常予定される事態であるから,本来は必要的共犯と理解すべき犯罪類型である。
3.正犯行為に期待可能性がないのであれば,教唆行為にも期待可能性はない。
4.犯人自ら逃げ隠れる行為のみが,法律の放任行為として国家による干渉を受けない防御の自由の範囲内にある。
5.教唆にとどまると可罰的であるのに,より犯情の重い正犯に及ぶと不可罰になるのは相当でない。
[PR]

by strafrecht_bt | 2014-06-18 11:36 | 司法試験