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2015年 05月 19日

【第9講】違法阻却事由の概観、正当防衛と緊急避難(1)

コアカリキュラム
第3章 違法性阻却事由
第1節 違法性と違法性阻却
1. 違法性の意義
3-1-1○違法性とは何か(概要説明)
2.違法阻却の一般原理
3-1-2○構成要件に該当した行為の違法性が阻却される根拠をめぐる基本的な考え方(概要説明)
3. 違法阻却事由の概観
3-1-3○明文にない違法性阻却事由を認めることができるか(概要説明)
(1)法律に規定のあるもの
・35条「正当行為」
・36条「正当防衛」
・37条「緊急避難」
*罪刑法定主義との関係ー>参考論文
(2)法律に規定のない違法阻却事由
・被害者の同意
・推定的同意
・その他の違法阻却事由?(可罰的違法性など)

第2節 被害者の同意(コア第3節
1 被害者の同意の意義と種類
(1)意義(犯罪不成立根拠)

3-3-1○被害者の同意があるときに犯罪の成立が否定される根拠(概要説明)
短答問題
(2)種類
*構成要件阻却的同意(合意)/違法阻却的同意
 ・構成要件阻却的同意:例「窃取」(235条)「侵入」(130条)への同意
 ・違法阻却的同意:例「傷害」(204条)への同意
*区別の実益
(事例)公序良俗に反した同意
(1)Aは自宅でマリファナパーティーを開いていた。招待されていなかったBは、その家に忍び込みそのパーティに紛れ込もうとしてその家の周りで侵入できることころを探していたときにAに見つかったが,AはBが家に入りパーティに参加することに同意した。
(2)そのマリファナパーティーの終了後、Bは残りのマリファナを密かに持ち帰ろうとしたときAに見つかったが,Aは、そのマリファナをBが持ち帰ることに同意した。
(3)仙台地石巻支判昭和62・2・18(判例118)の事案
2.同意の(有効)要件
3-3-2◎被害者の有効な同意が認められる要件を理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*錯誤に基づく同意
→各論
3.推定的同意
3-3-3◎推定的同意が違法性阻却事由となる根拠及び要件を理解し、具体的事例に即して説明することができる。
(事案)(1)Aの家の前を通りかかったBはAの飼い犬のチワワの首にロープが絡まって窒息しそうになっていうのを見かけ、Aに連絡する手段がなかったので、やむをえず、Aの家に侵入してチワワを救助した。
(2)医師Aが患者Bの同意を得て盲腸の手術をしてBを開腹したところ、手術が必要な大腸がんがあることを発見した。AはBの負担を考え、この機会に盲腸だけではなくがんに罹患した大腸の部位をも(Bの同意なしに)切除した。

第3節 法令行為・正当業務行為 (コア第2節
【条文】刑法35条(正当行為)「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」
1. 法令行為
3-2-1○法令行為が違法性阻却事由とされる趣旨(概要説明)
【関連条文】刑事訴訟法213条
2.正当業務行為
3-2-2◎正当業務行為の諸類型について理解し、具体的事例に即して説明することができる。

*正当防衛と緊急避難
*コアカリキュラムでは別々の項目(これについては次回の講義で復習する際に説明する)となっているが授業では両者を対比させながら検討した方が理解に資すると考えて、各要件を対比させながら検討し、あわせて両者の中間的類型である防御的緊急避難についてもあわせて説明した。
【条文】刑法36条1項(正当防衛)「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」、37条1項本文(緊急避難)「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。」
短答問題(1)072.gif(2)
*両者の比較
正対不正/正対正
急迫不正の侵害/現在の危難
*害の均衡
必要性・相当性/補充性
防衛の意思/危難の意思
*防御的緊急避難/攻撃的緊急避難の区別
・正当防衛
・防御的緊急避難
・攻撃的緊急避難
*管轄の段階
*区別の実益
(事例)
(1)大判昭和12・11・6(判例136=173)の事案
(2)(1)と犬の価格が逆の場合
(3)Aは自分の飼い犬のチワワ(価格10万円)が大蛇のアナコンダに食べられそうになっているのを助けるため、咄嗟にそばにいたB所有のヨークシャーテリア(価格30万円)をアナコンダのまえに投げ出し,アナコンダが気をとられた隙にチワワを救助した。その後、アナコンダはそのヨークシャーテリア犬を食べてしまった。 
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by strafrecht_bt | 2015-05-19 09:00 | 刑法Ⅰ(総論)
2015年 05月 16日

2015年〔第10問〕(配点:2点)

短答2015〔第10問〕(配点:2) 次の【記述】中の①から⑨までの( )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは, 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№17])
【記 述】 強盗罪における強取とは,相手方の反抗を①(a.困難にする・b.抑圧する)に足りる程度 の暴行・脅迫を加え,相手方の②(c.意思に反し・d.瑕疵ある意思に基づき),相手方の占 有に属する財物を自己又は第三者の占有に移転することをいう。強取と③(e.窃盗罪における 窃取・f.恐喝罪における喝取)との区別は,実行行為としての暴行・脅迫の有無であり,強取 と④(g.窃盗罪における窃取・h.恐喝罪における喝取)との区別は,相手方の反抗を①(a. 困難にする・b.抑圧する)に足りる程度の暴行・脅迫であるか否か,つまり,暴行・脅迫の程 度である。それゆえ,恐喝罪は,⑤(i.委託物横領罪・j.詐欺罪)と同様,相手方の⑥(k. 意思に反し・l.瑕疵ある意思に基づき),財物を交付させる犯罪である。そして,強盗罪や⑦ (m.窃盗罪・n.恐喝罪)のように,相手方の②(c.意思に反し・d.瑕疵ある意思に基づ き),相手方の占有に属する財物を自己又は第三者の占有に移転する犯罪を⑧(o.奪取罪・p. 交付罪)と呼び,恐喝罪や⑤(i.委託物横領罪・j.詐欺罪)のように,相手方の⑥(k.意 思に反し・l.瑕疵ある意思に基づき),相手方の占有に属する財物を自己又は第三者の占有に 移転する犯罪を⑨(q.奪取罪・r.交付罪)と呼んで区別することができる。
1.①a ②c ③e ④h ⑤j ⑥k ⑦n ⑧p ⑨q
2.①b ②c ③e ④h ⑤j ⑥l ⑦m ⑧p ⑨q
3.①a ②d ③f ④g ⑤i ⑥l ⑦n ⑧p ⑨q
4.①b ②d ③f ④g ⑤i ⑥k ⑦m ⑧o ⑨r
5.①b ②c ③e ④h ⑤j ⑥l ⑦m ⑧o ⑨r

正解
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by strafrecht_bt | 2015-05-16 13:50 | 司法試験
2015年 05月 12日

【第8講】過失

第2章 犯罪の積極的成立要件
【授業内容】
第7節 過失
【条文】「刑法」明治四十年四月二十四日法律第四十五号38条1項但、116条、117条2項、117条の2、122条、129条。209〜211条
刑法211条2項削除(2014年5月20日施行)
ー>自動車運転死傷行為処罰法
第5条(過失運転致死傷)
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
第6条  (無免許運転による加重)

4  前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

短答問題072.gif
【参考文献】佐伯仁志「過失犯論」前掲書290-315頁
1 過失犯の意義と処罰
*なぜ故意犯よりも著しく軽く0処罰されるのか?
・危険性が低い?ー>殺人罪による死者数と交通事故死者の数の比較(平成24年中の交通事故の発生状況平成24年の犯罪情勢072.gif)2012年/殺人被害者(死亡):428人/30日以内の交通事故死者数5237人 参考:犯罪白書
・責任が低い?
・過失犯においては行為者も自分自身の行為から不利益をうける(認容しない結果を生じさせている−一種の錯誤)ー>一種の「天罰(poena naturalis)を既に受けている。認知的補強(kognitive Untermauerung)の必要が低い
*罪刑法定主義との関係
2-7-1○38条1項ただし書きの趣旨(概要説明)
正誤問題 1.罰則を定めた特別法の法条に,過失行為を処罰する旨の明文の規定がない場合であっても, 当該特別法の目的から,罰則を定めた法条に過失行為を処罰する趣旨が包含されていると認められるときには,同法条が刑法第38条第1項ただし書に規定される特別の規定となり,過失による行為を処罰することが可能である。
判例:○(判例刑法222,223)
私見:このような解釈は罪刑法定主義に反する。
*関連問題:刑法230条の2もこの特別の規定か?
**明確性原則との関係
2.過失の種類
(1)条文上の区別
 ア.(単純)過失
 イ. 重過失
正誤問題:重過失致死傷罪の「重過失」とは,行為者としてわずかな注意を払えば,結果発生を予見す
ることができ,結果の発生を回避できた場合をいう。
 ウ. 業務上過失
【文献】島田聡一郎「業務上過失致死傷罪とは何か」
正誤問題:業務上過失致死傷罪の「業務」とは,社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われ,ま
たは,反復継続して行う意思をもって行われる行為であり,他人の生命・身体等に危害を加え
るおそれがあるものをいう。
*自動車運転過失(上述改正参照):業務上過失をさらに加重
*危険運転致死傷罪(結果的加重犯)ー>重い結果に対する過失の要否

(2)認識の有無による区別
 ア.認識ある過失<ー>未必の故意(上述)
 イ.認識なき過失
*認識なき過失の処罰は必要か?
(3)管理監督過失
2-7-7◎監督者・管理者がいかなる場合に過失責任を負うかについて理解し、具体的事例に即して説明することができる。
3 過失犯に関する学説: 過失犯理論
短答問題072.gif(*2014年追加)
(1)旧過失論:過失の本質は,意思を緊張させたならば結果発生を予見することが可能であったにもかかわらず,これを予見しなかったことにある。
(2)新過失論:過失の本質は,社会生活上必要な注意を守らないで,結果回避のための適切な措置を採らなかったことにある。
(3)新・新過失論(危惧感説)

4 過失(結果)犯の成立要件
2-7-2○過失犯の成立要件について理解(概要説明)
(1)注意義務違反行為
2-7-3○注意義務の意義と内容(概要説明)
*注意義務の基準
①一般人基準(客観説)
②本人基準(主観説)
③折衷説(分配説)
 (i)構成要件:通常人基準
 (ii)責任:行為者基準
〔批判〕ブラックジャックのような高度な能力を持つ医師の「特権化」?
2-7-4◎予見可能性の内容について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*予見可能性の程度
①危惧感→②具体的予見可能性→③高度の予見可能性
旧過失論と新過失論における差異?
**判例の立場
判例は新過失犯論を採るが、予見可能性の程度については危惧感では足りないとする。
→結果回避義務違反行為の重視
2-7-6◎信頼の原則の内容について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
正誤問題;過失行為を行った者を監督すべき地位にある者の過失の有無を判断する際には,信頼の原則は適用されない。
(2)結果
(3)注意義務違反と結果との間の関係
2-7-5◎注意義務違反と結果の間に必要とされる関係について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
ー>過失の共同正犯
正誤問題:複数の行為者につき,行為者共同の注意義務が観念でき,行為者がその共同の注意義務に違
反し,共同の注意義務違反と発生した結果との間に因果関係が認められる場合には,過失犯の共同正犯が成立し得る。

過失犯演習問題
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by strafrecht_bt | 2015-05-12 09:01 | 刑法Ⅰ(総論)
2015年 05月 11日

【第7講】錯誤(2) :法律の錯誤

コアカリキュラム
第2章 犯罪の積極的成立要件
【授業内容】
第5節 故意
2 錯誤(続)
(3)事実の錯誤
 ア 具体的事実の錯誤
 (ア)客体の錯誤および(イ)方法の錯誤
2-5-4◎予見していた客体とは異なる客体に法益侵害が生じた錯誤事例における故意犯の成否(具体的事例)
 (ウ)因果関係の錯誤
2-5-5◎因果経過について錯誤が生じた事例における故意犯の成否(具体的事例)
*早すぎた構成要件の実現
*遅すぎた構成要件の実現(ウェーバーの概括的故意)
 イ 抽象的事実の錯誤
2-5-6◎認識・予見した事実と発生した事実とが異なる構成要件に属する事例における故意犯の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
(4)法律の錯誤<ーコアカリキュラム第4章/第3節 違法性の意識
4-3-1◎事実の錯誤と違法性の錯誤を区別することにどのような意義があるかを理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*違法阻却事由の錯誤は事実の錯誤か法律の錯誤か?
「誤想防衛」の処理
①事実の錯誤説
②二分説
(i)事実的前提の錯誤
(ii)評価自体の錯誤
③法律(違法性)の錯誤説
4-3-2○違法性の意識とは何か(概要説明)
4-3-3◎違法性の意識を欠く場合における犯罪の成否(具体的事例)
①違法性の意識不要説(判例)
②故意説
(i)厳格故意説
(ii)制限故意説
③責任説
*制限責任説/厳格責任説
******
錯誤論(全体のまとめ)
・事実の錯誤:判例の立場(法定的符合説):法定的(実質的)符合の範囲外ー>故意阻却
 ・違法阻却事由の錯誤:判例の立場:前提事実の錯誤ー>故意阻却
・法律の錯誤:判例の立場(「違法性の意識不要説を変更する一歩手前」(山口131)⇒制限故意説?):違法性の意識の可能性(!)なしー>故意阻却
*判例の問題点
(1)法定的な符合を基準としながら、法定的には別の客体(例:覚せい剤と麻薬)についても実質的符合をみとめるのは、基準として一貫していないのではないか?
(2)故意行為を行う際、客体や方法の特定なしにそもそも行為を遂行するのは不可能なので、(何らかの形で)特定していた客体以外に結果が発生した場合(方法の錯誤の場合)には結局、認識・予見のない客体への故意を擬制ないし転用していることにならないか?
(3)違法阻却事由の前提事実の錯誤(特に誤想防衛)の場合、常に故意の阻却をみとめるが、その場合の理論的根拠(特に故意の体系的位置づけ)が示されていないのではないか?ー>いわゆる故意のブーメラン現象
(4)違法性の意識を故意の要素としながら、事実の認識の場合と異なり、現実の違法性の意識ではなく違法性の意識の可能性でありるとしていることの理論的根拠が示されていないのではないか?
**間接故意の理論

関連論文
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by strafrecht_bt | 2015-05-11 09:00 | 刑法Ⅰ(総論)
2015年 05月 10日

【第6講】故意(2):事実の錯誤ー錯誤論(1)

コアカリキュラム
第2章 犯罪の積極的成立要件
【授業内容】
第5節 故意 (2)
1 故意の概念(前回)
短答問題
2 錯誤論
短答問題
 (1)錯誤の分類
事実の錯誤
・具体的事実の錯誤
・抽象的事実の錯誤
法律の錯誤
*違法阻却事由の錯誤ー>違法阻却事由のなかで後述
(2)錯誤の現象類型
・客体の錯誤
・方法(打撃)の錯誤
・因果関係の錯誤
(3)事実の錯誤
 ア 具体的事実の錯誤
 (ア)客体の錯誤および(イ)方法の錯誤
2-5-4◎予見していた客体とは異なる客体に法益侵害が生じた錯誤事例における故意犯の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
 (ウ)因果関係の錯誤
2-5-5◎因果経過について錯誤が生じた事例における故意犯の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*早すぎた構成要件の実現
*遅すぎた構成要件の実現(ウェーバーの概括的故意)
 イ 抽象的事実の錯誤
2-5-6◎認識・予見した事実と発生した事実とが異なる構成要件に属する事例における故意犯の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
【事例】
①Xは夜道を一人で歩いていたBをAと人違いをして射殺した。
②XはAを殺そうと思いBと二人で並んで歩いていたAに向けて発砲したが、
(i)弾はAに当たらずBに当たり、Bが死亡した。
(ii)AとBの両方に当たり、
 a)Aは傷害を負い、Bは死亡した。
 b)Bは傷害を負い、Aは死亡した。
 c)AもBも死亡した。
③Xは電話でAを脅迫しようとしたが、番号を間違えたためBにかかりAが出たと勘違いしてBを脅迫した。(山中169頁Q11-10)
④Xは、殺し屋のYにAを殺すように教唆したが、Yは人違いでBを殺害した。(山中170頁Q11-11)
⑤Xは、夫Aを殺そうと思い夕食で出すカレーの中に毒をいれておいた。Xの外出中にAが会社を早退して帰宅し、なべのカレーを自分で食べて死亡した。
⑥XはAを溺死させようとして明石海峡大橋の上からつき落としたところAは橋脚に頭をぶつけて死亡した。
⑦Xは、保険金を掛けていたVにクロロホルムを嗅がせて気を失わせた後、車に乗せてその車を海に転落させて事故に見せかけて殺害しようとしたが、Vはクロロホルムの作用によって既に死亡した。(山中182頁Q12-10)
⑧XはAを絞殺するつもり首を絞め、Aが動かなくなったので死んだと思い死体を隠そそうと思って穴を掘ってAを埋めたが、実はAはまだ生きており穴の中で窒息死した。(山中180頁Q12-8)
⑨XはAを殺そうと思いAに向かって発砲したが、弾はAに当たらずAの飼い犬Bに当たりBが死亡した。
⑩Xは、覚せい剤のつもりで麻薬を輸入した。 (参考:山中173頁Q12-2②:麻薬→実は覚せい剤所持)
⑪ Xは、Aに襲われていた自分の兄Yを助けようとしてAに向かって発砲したが、弾がYに当たりYが死亡した。 (参考:山中262頁Q17-9)
⑫Xは、ふざけてバットを振り上げたAを襲いかかってきたと思い、防衛のつもりでとっさにその場にあった別のバットでAを殴り重傷を負わせた。
⑬Xは法律で捕獲を禁止されている「タヌキ」を「ムジナ」だと思い捕獲した(山中312頁Q20-10①)
⑭Xは法律で捕獲を禁止されている「ムササビ」を「モマ」だと思い捕獲した(山中312頁Q20-10②)
⑮Xは、狩猟禁止区域であることを知らずに狩猟した(山中310頁Q20-8②)
⑯Xは、無主犬の殺害を許可した警察規則を誤解して、鑑札をつけていない犬は他人の犬であっても無主犬とみなされると思い、鑑札をつけていなかったAの飼い犬を撲殺した。(山中309頁Q20-8①)

(3)法律の錯誤<ーコア第4章/第3節 違法性の意識
4-3-1◎事実の錯誤と違法性の錯誤を区別することにどのような意義があるかを理解し、具体的事例に即して説明することができる。
4-3-2○違法性の意識とは何か(概要説明)
4-3-3◎違法性の意識を欠く場合における犯罪の成否について理解し、具体的事例に即して説明することができる。
*故意と違法性の意識は、明確に区別することができるか?
**違法性(禁止)に関する過失をすべて故意としてしまってよいか?
***事実に関する無関心を過失犯として扱ってよいか?->「間接故意」(dolus indirectus)論
私見:基本的には厳格故意説が妥当、但し間接故意論による修正が必要(「修正故意説」)
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by strafrecht_bt | 2015-05-10 09:00 | 刑法Ⅰ(総論)