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2014年 06月 23日

2014〔第11問〕(配点:3)罪数

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[№21],[№22]順不同)
1.甲は,乙に対し,丙の日本刀を盗んでくれば高値で買ってやると申し向け,乙が盗んできた日本刀を買い受けた。甲には,窃盗教唆罪及び盗品等有償譲受け罪が成立し,これらは併合罪となる。
2.甲は,乙が強盗を行うつもりであることを知りながら,乙に模造拳銃1丁を貸し与えたところ,乙は,2店のコンビニエンスストアで,同模造拳銃を使ってそれぞれ強盗を行った。甲には,2個の強盗幇助罪が成立し,これらは併合罪となる。
3.甲は,乙を殺害する目的で乙が居住する家に侵入し,乙及び偶然その場に居合わせた丙をそれぞれ殺害した。甲には,乙に対する住居侵入罪及び殺人罪が成立し,これらは牽連犯となり,これと丙に対する殺人罪が併合罪となる。
4.甲は,強盗の目的で,路上を連れ立って歩いていた乙及び丙に対し,包丁の刃先を両名の方に向けながら「お前ら金を出せ。出さないと殺すぞ。」と言って脅迫し,両名からそれぞれ現金を奪った。甲には,2個の強盗罪が成立し,これらは併合罪となる。
5.甲は,恐喝の手段として乙を監禁し,乙から現金を喝取した。甲には,監禁罪及び恐喝罪が成立し,これらは併合罪となる。



【正解】1,5(順不同)
(1)併合罪となるもの
1.甲は,乙に対し,丙の日本刀を盗んでくれば高値で買ってやると申し向け,乙が盗んできた日本刀を買い受けた。甲には,窃盗教唆罪及び盗品等有償譲受け罪が成立し,これらは併合罪となる。
5.甲は,恐喝の手段として乙を監禁し,乙から現金を喝取した。甲には,監禁罪及び恐喝罪が成立し,これらは併合罪となる。
(2)観念的競合となるもの
2.甲は,乙が強盗を行うつもりであることを知りながら,乙に模造拳銃1丁を貸し与えたところ,乙は,2店のコンビニエンスストアで,同模造拳銃を使ってそれぞれ強盗を行った。甲には,2個の強盗幇助罪が成立し,これらは併合罪となる。
ー>判例によれば、狭義の共犯の行為が一つならば観念的競合となる。
4.甲は,強盗の目的で,路上を連れ立って歩いていた乙及び丙に対し,包丁の刃先を両名の方に向けながら「お前ら金を出せ。出さないと殺すぞ。」と言って脅迫し,両名からそれぞれ現金を奪った。甲には,2個の強盗罪が成立し,これらは併合罪となる。
ー>被害者が別でも暴行・脅迫行為が一つならば観念的競合
(3)かすがい作用
3.甲は,乙を殺害する目的で乙が居住する家に侵入し,乙及び偶然その場に居合わせた丙をそれぞれ殺害した。甲には,乙に対する住居侵入罪及び殺人罪が成立し,これらは牽連犯となり,これと丙に対する殺人罪が併合罪となる。
ー>かすがい作用により乙と丙の殺人罪も科刑上一罪の関係となる。

by strafrecht_bt | 2014-06-23 12:03 | 司法試験


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