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2016年 02月 22日

【大学院】ワークショップ:刑法的行為論と哲学的行為論(1)

前提知識:
文献:門脇1996(10・11章);野矢2010:13-27頁:古田2013:136‐145頁
1.「行為」の意義:「手を上げる」
*「出来事(event)」/「行為(action)」
2.行為と意図(intension)
①古典的意志理論(ロックなど)=意志作用説(野矢13頁)
*ライルの批判(『心の概念』3章):人間の行為⇔自然現象;意志の無限後退(野矢13‐14頁)
②行為の反因果説(アンスコムなど):原因/理由=行為の意味(野矢15頁)
*意志⇔意図的行為
 対象⇔「意図的」(形容詞)
*意図的行為の記述依存性
*実践的推論
③行為の因果説(デイヴィッドソンなど):欲求と信念(belief)→行為の理由=原因;因果的秩序
*意図の計画理論(ブラットマン)
3.(意志)自由論との関係
【演習問題】
門脇1996の設問(第10章 行為をどのようなものとしてとらえるか:一部略)
問題1 身体運動のない行為はあるか。あるとすればそれは、本当に行為と呼ぶに値するか。
問題2 つぎの出来事は行為だろうか。
①「朝からぼーっとしていた」(ある種の状態に近いもの)
②「叔父から遺産を受け取った」(主体に対して降って湧いた出来事)
③「嫌いな教師が来たので挨拶しなかった」(意図的だが、身体動作のことをどう考えるか)
④「敵の船を撃沈しようとして間違って味方の船を撃沈してしまった」(身体動作のある意図せざるふるまい)
⑤「昨夜は10時間寝た」(これもある種の状態)
⑥「昨夜満月を見た」(知覚)
*所持犯
問題3 古典的意志理論について説明し、それに対する批判をまとめてみよ。
(問題4:行為の記述/問題5:オイディプス王の事例)
門脇1996の設問(第11章 意図の問題一反因果説と因果説:一部略)
問題1:意図的でない行為の例を挙げてみよ。
問題2:アンスコムの基準からすると、自分を鏡に映しそれを見ながらいろいろな行動をとることは、意図的な行為だろうか。その人は、観察によって自分の身体的運動を知っているように見える。
問題3:行為の因果説と反因果説との対立点を、簡単に説明せよ。
(問題4:「逸脱した因果連鎖」の例)
問題5:ある行為の例を考え、行為の因果説が挙げる行為の「原因」の二つの種類のものを、その行為に関して求めよ。




三段論法(συλλογισμός)とは?
定言的三段論法
大前提:全ての人間は死すべきものである。
小前提:ソクラテスは人間である。
結論:ゆえにソクラテスは死すべきものである。

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Alle Menschen sind sterblich (Obersatz).

Alle Griechen sind Menschen (Untersatz).

Also sind alle Griechen sterblich (Schlussfolgerung)




出典:ドイツ語版ウキペディアSyllogismus

実践的三段論法
軽い肉は健康によい(大前提:規範)
鳥の肉は軽い肉である(小前提:事実)
∴鳥の肉は健康によい (結論:規範)

by strafrecht_bt | 2016-02-22 13:55 | 行為論


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