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2017年 01月 07日

残余のリスクの意味

残余のリスク(残留リスク、残存リスク)(residual risk, Restrisiko)
残余(残留)リスクとは、あるリスクに対して組織が何らかの対応をした結果、残るリスクの大きさのことである。ちなみに、2009年に国際標準規格として発行された「ISO Guide 73」(リスクマネジメント-用語)では、「リスク対応後に残るリスク」と定義されている。
2006 年に約30 年ぶりに改定された発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針が原子力安全委員 会により発表された。その解説 I,(2)残余のリスクの 存在についてにおいて、リスク低減後の残留リスク である residual risk が示されている。これによると、地震学的見地から、策定された地 震動を上回る強さの地震動が生起する可能性は否定 できず、これは「残余のリスク」(策定された地震動を上回る地震動の影響が施設に及ぶことにより、施設に重大な損傷事象が発生すること、施設から大量の放射性物質が方散される事象が発生すること、あ るいはそれらの結果として周辺公衆に対して放射線 被ばくによる災害を及ぼす事のリスク)が存在する ことを意味する。したがって、施設の設計にあたっ てはこれらを十分配慮し、この「残余のリスク」の 存在を十分認識しつつ、それを合理的に実行可能な限り小さくするための努力が払われるべきである、 としている。一定のリスク対応が取られた後でも、このような残余のリスクの存在を認め、さらにその軽減を図る策が取られるべきである。
ただしこの残余のリスクがコスト面から受忍すべきリスクという意味合いで使われることもあり、どのような意味合いでこの概念が用いられれているかに注意すべきである。

by strafrecht_bt | 2017-01-07 20:39 | 環境刑法


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