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2016年 11月 28日

法と環境10:環境倫理学(4)

J. Baird Callicott
ベアード・キャリコット(1941年5月19日 – )
アメリカ合衆国の環境倫理学者。テネシー州メンフィスで生まれた。1971年にシラキューズ大学から哲学博士号を取得(専攻はプラトン哲学)。現在は、ノーステキサス大学の哲学教授。1971年にウィスコンシン州立大学スティーブンズポイント校において、世界初の環境倫理学の講座を開き、1979年にこの分野の専門誌を発行した。環境倫理学という分野の創設者と位置づけられる。
環境ファシズム:人間中心主義批判
ポスト・モダンの環境倫理←ポストモダンの科学(リオタール)
環境ファシズム(Environmental Fascism)
種や生態系の保全を最優先させる、地球全体主義の偏った思想を批判する際に用いられる概念。
批判者によれば、地球全体主義は、個人の権利・生命を犠牲にする危険性があるとされる。例えば、人口増加を防ぐために、人工妊娠中絶を強制することが肯定化されるなど。
環境倫理学の議論の中で、「環境ファシズム」という言葉を最初に使ったのはトム・リーガン(アメリカ)で、すべての個(動物や人間)の固有の価値を重視する考え方を展開していた。したがって、生態系や種の保護を重視する地球全体主義を、個々の生命の犠牲を容認するファシズムであるとして批判した。
地球全体主義
地球こそが、すべての価値判断を優先して尊重されるべき「絶対的なもの」であるという思想。
地球全体主義は、地球全体のためには、個人、あるいはもっと大きな社会的構成体の欲望や自由をある程度制限することを要求する。
地球全体主義の代表的な主張として、土地倫理やガイア仮説などがある。地球全体主義は、近代的な自由主義・個人主義への抵触、環境ファシズムの危険性など様々な問題点が指摘されている。
エコ・テロリズム(ecoterrorism)
「エコ・テロリズム」とは、放火や爆弾、器物損壊といった暴力行為を伴う過激な環境保護・動物愛護(解放)運動を指す概念
浜野喬士『エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ』(2009)
環境を、動物を守るための暴力とは何なのか? 過激な反捕鯨運動でも知られるグリーンピースやシー・シェパードなど、ラディカル環境・動物解放運動の歴史と思想的背景を解き明かし、その内在論理を丹念に読み解くことで、“自由”と“民主主義”の国「アメリカ」の問題を鮮やかに照らし出す!
第一章 エコ・テロリズムとは何か
第二章 ラディカル環境運動と動物解放運動
第三章 思想史的背景
第四章 アメリカにおける反エコ・テロリズム
シーシェパード

世代間倫理
Inter-Generation Ethics
現代世代が、未来世代の生存可能性に対して責任を持つべきであるとする倫理。
環境を破壊し、資源を枯渇させる行為は、現代世代が加害者になって未来世代が被害者になるという構造を持っている。従って、世代間倫理が存在しないならば、環境問題は解決されない。
加藤尚武:現在の意志決定システムである民主主義は、「現在の同意」という共時的な意志決定システムであり、異なる世代間にまたがるエゴイズムをチェックする機能を持っていないとしている。一方で、封建主義は未来に対して責任を負う「通時的な」意志決定システムであったと指摘している。
ハンス・ヨーナス :エコロジー的定言命法「汝の行いの結果が、真の人間の生命の地上における永続と調和するように行為せよ」:人類の存続義務?

Hans Jonas (1903-1993)
責任の原理
『責任という原理:科学技術文明のための倫理学の試み』(1979, 加藤尚武監訳、東信堂、2000年)
ヨナスの著作は、技術社会において生み出された社会的・倫理的問題を主題としている。彼は、人類の存続は、我々の世界である地球とその未来への配慮に対する努力に依存していると主張
ヨナスは道徳性に関する、新しく明瞭な至上原理を定式化:
「汝の行いの結果が、真の人間の生命の地上における永続と調和するように行為せよ」(„Handle so, daß die Wirkungen deiner Handlungen verträglich sind mit der Permanenz echten menschlichen Lebens auf Erden.“ – Das Prinzip Verantwortung, S. 36)

自然の生存権/自然の権利
Rights of Natur
アルド・レオポルドの土地倫理(land ethic)や、アルネ・ネスらのディープ・エコロジー(deep ecology)運動などに影響を受けた自然や生物を尊重する考え方。法学や哲学の「人間の自然権」(生まれながらの権利)と区別して、「自然の自然権」あるいは「自然の権利」ということも多い。
自然保護は人類だけのためではなく、人類の生存や要求から独立して独自に、自然あるいは生物にとっても繁栄する価値と権利を有するとする考え方で、各地の開発に伴う自然保護運動の戦術としても「自然の権利訴訟」が相次いでいる。米国のダム建設に対するシマフクロウを原告とした訴訟が有名で、日本でもアマミノクロウサギ(奄美ゴルフ場)、オオヒシクイ(茨城県圏央道)、ナキウサギ(大雪山士幌高原道路)などを原告とした例がある。
ペット、家畜や実験動物の「動物の権利」(アニマルライト animal right)とは通常区別している。

Christopher D. Stone (1937-)
Stone, Christopher D. (1972). "Should Trees Have Standing--Toward Legal Rights for Natural Objects". Southern California Law Review 45: 450–87
クリストファー・ストーン「樹木の当事者適格-自然物の法的権利について」現代思想 1990年10月号
樹木の当事者適格
「権利の主体は、富裕層のみ・男性のみ・白人のみ、といった限定を次々にはずされ、拡張されてきた。この流れは、人類以外の存在にも向けられるべきだ」とするものである。そして、訴訟上は、後見人や信託人としての人間が、「被害者」である自然物に代わって賠償請求をして環境修復の費用に充てたり、開発の差し止めを行うことを認めていけばよい
「シエラクラブ対モートン事件(Sierra Club v. Morton)」は、アメリカ合衆国で1965年に提訴された自然保護裁判。自然保護団体のシエラクラブが、ウォルト・ディズニー社によるミネラルキング渓谷の開発計画について、開発許可の無効確認を求めて、ロジャース・モートン内務長官を訴えたもの。二審判決までは、原告シエラクラブには何の法的権利侵害も生じることがないとして、訴訟要件である原告適格が欠けることを理由に却下判決が下された。
日本への影響:「アマミノクロウサギ」訴訟【百選81】
Sierra Club v. Morton
アマミノクロウサギ
自然の権利訴訟
自然保護を目的とする行政訴訟においては、開発に反対する周辺住民や環境保護団体の原告適格が認められなかったため、紛争の木質をあえて正面に出す意味で、動物(例:アマミノクロウサギ、ミヤコタナゴ)や自然物(例:高尾山、落合川)を原告とすることがある。また、原告適格認定において支障が少ない住民訴訟においても人間以外が原告とされることがある。このように、人間以外の生物や自然物を原告とする訴訟を「自然の権利訴訟」とよぶ。訴訟を提起する人間の主張を社会的にアピールする意味が強い。(北村240頁)
(1)自然の権利訴訟が語られるとき、米国の研究者の論文が参照されることが多い(Christopher D. Stone "Should Trees Have a Standmg?” 45 Southem California Law Review 450 (1972))・どのような主張だったのだろうか。邦訳としては、クリストファー・ストーン(岡嵜修十山田敏雄(訳))「樹木の当事者適格:自然物の法的権利について」現代思想18巻11~12号(1990年)がある。
(2)自然を代理して行政訴訟を提起する資格を立法的に人間に認めるとした場合、その適格性はどのように説明できるのだろうか。
(3)自然の権利訴訟の趣旨を、訴訟ではなく法政策的に制度化するとすれば、どのような行政法的制度が考えられるだろうか。

アニマルライツ(動物の権利)Animal Rights
「動物の権利」と訳され、それを擁護する思想あるいは運動を指すことが多い。本来は動物にどのような道徳的配慮をすべきかという思想的・哲学的な倫理問題。1980年代から活発に論議されるようになった。
さまざまな立場があり、トム・リーガンに代表される「感覚を持った哺乳類」を権利を持つ主体と考えるもの、一般的な人道主義に近い立場や、感覚を持つすべての動物を権利の保持者と見なし「倫理的世界を拡大するための遠大な倫理革命の一部」と捉えるピーター・シンガーの「動物解放論」などの立場がある。これらの議論を、人間の利益のために動物の権利を支持する「人間中心主義」と、人間の利益とは無関係に動物に本来備わっている価値を重視する「生命中心主義」とに分類して整理する見方もある。
「自然の権利」と同一視されることがあるが、「自然の権利」が野生生物種や自然物、生態系を対象とし、それを人間が代弁できるとするのに対して、「動物の権利」は飼育動物を中心とした個体の福祉を念頭に置き、個体の権利を主張する点で違いがある。ただし、「動物の権利」は社会的にさまざまな意味と意図で使われており、共通認識はまだできていない。

Tom Regan (1938-) トム・リーガン
菜食主義
「全体論的自然主義者」批判→「環境ファシズム」
【町野・22頁】
Peter Singer (1946-)ピーター・シンガー『動物の解放』
「苦痛を感じる能力のある動物」
「種差別主義者(speciesism)」批判【町野・22頁】

環境経済学/環境プラグマティズム
経済と環境の統合(セン)
生態系サービス(コンスタンザ):各種サービスの貨幣評価
CVM:仮想評価法
環境プラグマティズムからの評価(ブラアン・ノートン)
環境経済学:環境評価→「一元的」⇔「包括的」
多元論
【文献】寺本 剛 「環境価値の二極化とブライアン・ノートンの環境プラグマティズム」応用倫理(北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター)2巻(2009年11月)13-23頁
寺本論文の要旨
自然環境の価値とはどのようなものか。この問題に関して二つの極端な考え方が従来の環境思 想を支配してきた。一つは自然環境の価値を「経済価値」あるいは「市場価値」としてのみ捉え ようとする考え方(経済主義)であり、これは主に厚生経済学や環境経済学において支持されて きた。もう一つは環境の価値を「内在的価値」としてのみ捉えようとする考え方(内在的価値論) であり、これは環境倫理学において一つの有力な主張として定着している。この二つの立場は自 然環境の価値を一種類の価値に還元しようとする強い傾向を持つため、互いの見方を許容できず、 環境思想の価値論は二極化の様相を呈していた。一方、環境プラグマティズムの主唱者の一人で あるブライアン・ノートンはこのような二極化を不毛なイデオロギー対立として批判し、環境思想をより実行力のあるものへと変換しようとする。そのためにノートンは、これらの価値論が共有する暗黙の前提を暴き出し、これらの価値論に代わってプラグマティックな価値論を提案する。 本稿では、ノートンの議論を手がかりに、環境思想における価値の二極化の実情と、この二極化の根底に存在する先入見とを明らかにし、さらにノートンがこの二極化をいかに克服しようとし ているかを見る。そして最後にノートンの主張が環境思想の動向と環境倫理の在り方にとっていかなる意義を持つのか確認したい。

Ernst Friedrich Schumacher
エルンスト・フリードリヒ・シューマッハー(Ernst Friedrich "Fritz" Schumacher, 1911年8月16日 - 1977年9月4日)は、ドイツ生まれのイギリスの経済学者。ジョン・メイナード・ケインズに師事した。イギリス石炭公社の経済顧問。
長年の石炭公社の勤務経験と経済学者としての分析から、石炭及び、その代替燃料としての石油の枯渇を予測し、原子力の利用についても警鐘を鳴らした。
1973年に刊行された『スモール イズ ビューティフル』は、その中でエネルギー危機を予言し、第一次石油危機として的中したことで世間の注目を浴び各国語に翻訳された。同書は The Times Literary Supplement により、第二次世界大戦後に出版された書籍の中で、世界に影響を与えた100冊に選出された。
地球の自然環境と調和した節度のあるサイズの生活
アマルティア・セン
(ベンガル語:অমর্ত্য সেন 英語:Amartya Sen、1933年11月3日 - )は、インドの経済学者。哲学、政治学、倫理学、社会学にも影響を与えている。アジア初のノーベル経済学賞受賞者。1994年アメリカ経済学会会長。
Robert Costanza(1950‐)
Professor and Chair in Public Policy at the Crawford School of Public Policy.
Prior to this, he was Distinguished University Professor of Sustainability in the Institute for Sustainable Solutions at Portland State University, Gund Professor of Ecological Economics and founding director of the Gund Institute for Ecological Economics at the University of Vermont, Professor at the University of Maryland and at Louisiana State University and a visiting scientist at the Beijer Institute for Ecological Economics in Stockholm, Sweden, and at the University of Illinois Natural History Survey.
CVM=Contingent Valuation Method
CVM(仮想評価法):アンケートを用いて環境の値段を評価する手法
例:CVMの質問例
ゴルフ場開発によって森林が伐採される予定があるとします。そこで、この開発を中止して、生態系を守るためにあなたはいくら支払っても構わないと思いますか?
年間______円
このように、CVMは、環境を守るためにいくら支払うかをたずねることで、環境の価値を評価する。この質問方式は自由回答方式と呼ばれており、回答者は自由に金額を記入する。この方式は、CVMの中でも最もシンプルなものである。今日では、より洗練された質問形式が開発されている。例えば、エクソン社バルディーズ号の原油流出事故による生態系破壊の評価では「二段階住民投票方式」と呼ばれる質問方式が使われた。 ここで得られる金額は「支払意志額」と呼ばれる。この金額は1世帯あたりの金額なので、対象となる地域の世帯数をかけることで、生態系の価値が評価される。また、支払意志額は年間あたりの金額なので、これに対象期間をかける。
生態系価値の算出方法
生態系価値=支払意志額×対象世帯数×対象期間
レクリェーションの対象者は訪問者のみに限定され、水源保全は下流住民のみに限定される。しかし、生態系の場合はすべての国民に及ぶため、生態系の価値はしばしば数億円~数百億円にのぼる。
文献:栗山浩一・柘植隆宏・庄子康『初心者のための環境評価入門』勁草書房,2013年2月
Bryan G . Norton(1944‐)
Practical philosophy is philosophy that is undertaken in the context of real-world problems. Philosophical thinking can often clarify problem contexts and bring to bear careful analysis of concepts and principles of how to act. In my research, I have addressed the problems of species loss, degradation and "illness" of ecological systems, the problems of watershed management, and most recently, the problem of placing boundaries around environmental problems so that they can be modeled for study and management. In addressing these problems, I have sought unity among my views of these multiple problems by creating a theory of sustainable development that captures the key role of human values in the search for better policies to protect nature and humans of the future.
まとめ
環境倫理学
基本思想の対立
人間中心主義⇔非人間中心主義(動物→生物→エコ→自然・中心主義)
フロンティア倫理vs.宇宙船倫理vs.救命ボート倫理
3つの柱(加藤尚武)
地球全体主義
世代間倫理
自然の生存権(自然の権利)
環境倫理にご用心!(ルーマン)
原理的問題点
「環境ファシズム」「エコ・テロリズム」の危険
環境倫理学の見取り図
時間軸・空間軸
権利主体
ウーリッヒ・ベックのリスク社会論
ウルリッヒ・ベック(Ulrich Beck、1944年5月15日 - 2015年1月1日)は、ドイツの社会学者。ポンメルンのシュトルプ(現在のポーランド領スウプスク)生まれ。
ミュンヘン大学卒業。ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学、オットー・フリードリヒ大学バンベルクを経て、1992年からルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(ミュンヘン大学)およびロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学教授を務めた。
ルーマンの環境倫理批判
『エコロジーのコミュニケーション』(1986年)
第21章「環境倫理」
道徳/倫理の区別:倫理=道徳の反省理論(259頁)
道徳のパラドックス:「一切は道徳的だが、道徳そのものは道徳的ではない」(Musil『特性のない男』より)
「パラドックスに対する瘤胃(Pansen)」(262頁):問題を「事前にソートし議論を概念的に準備する任務」(Grundmann, in: Luhmann Handbuch, S. 172)を持つ環境倫理
「いずれにせよそのような倫理が存在しない限り、エコロジーのコミュニケーションは自ら道徳に対して距離をとるように努めなければならないだろう。エコロジーのコミュニケーションは現在、環境倫理という方向指示によって誤って誘導されている。」(262頁)
小菅雅行「ニクラス・ルーマンのシステム論を用いた対話型コミュニケーション活動の考察」待兼山論叢・哲学篇46号33-48頁(2012)
ルーマンはその著書『エコロジーのコミュニケーション』において、全体社会が近代において機能的に分化した社会システム、すなわち機能システムへと分化したことが、エコロジーの諸問題の背景にあるとしている。 (ÖK7)
近代社会は様々な機能システムに分化していったのだが、このことがエコロジーの諸問題の背後にある構造であるとルーマンは 指摘している。(ÖK7)すなわち、機能システムは分化しても相互依存はしているため、エコロジーの問題によって引き起こされる擾乱は連鎖してしまう(ÖK97)一方で、その制御は各機能システムの内部で行うしかな く、(ÖK100)さらに道徳や倫理の助けを得ることもできない。(ÖK88) このような袋小路に近代社会は追い込まれてしまっているのである。
Niklas Luhmann (1927-1998)
牛の第一胃(Pansen, rumen,瘤胃)
第一胃(こぶ胃:ルーメン、ミノ)、第二胃(蜂の巣胃:レティキュラム、ハチノス)、第三胃(葉胃:オマスム、センマイ)、第四胃(しわ胃:アボマスム、ギアラ)
ルーマンの環境法批判
『エコロジーのコミュニケーション』(1986年)
第11章「法」
環境に関する法的決定に関する恣意的要素の増大(128-9頁)
①限界値/②リスク引き受けの射程/③優先事項の決定
リスク引き受けの事前同意「君がそれを望んだのだよ、ジョルジュ・ダンダン」(モリエールの戯曲:George Dandin ou le Mari confonduより)(135頁)
法システムの古典的構造の歪曲(142頁)
Molièreモリエール(1622年1月15日 - 1673年2月17日)は、17世紀フランスの俳優、劇作家。コルネイユ、ラシーヌとともに古典主義の3大作家の1人。本名ジャン=バティスト・ポクラン(Jean-Baptiste Poquelin)。悲劇には才能がなかったが、鋭い風刺を効かせた数多くの優れた喜劇を制作し、フランス古典喜劇を完成させた
ジョルジュ・ダンダン:裕福な農夫のジョルジュ・ダンダンは“社会的地位”を手に入れるために、破産した貴族ソトンヴィルの娘アンジェリックと結婚。ソトンヴィル家の借金返済と引き換えに「ジョルジュ・ドゥ・ラ・ダンディニエール」という貴族の名前を名乗る権利を得たのだが、彼女とその両親は、事あるごとに身分の違いを強要してきます。ある日、ジョルジュ・ダンダンは、妻のアンジェリックが、クリタンドル子爵との逢瀬を続けているのを知ってしまい、彼女の両親に事の次第を告げるが、確固とした証拠が見つからず、反対にジョルジュ・ダンダンが謝罪することになってしまう。
同意制
許可申請など法定手続に先立って、事業者に対して、一定範囲の関係者の同意(通常は自署・押印によって示される)を取得することを求める行政運用をいう。自治体の行政現場でみられ、要綱に根拠を置くことが通例である。環境法のなかでは、産業廃棄物処理施設の立地にあたって、廃棄物処理法の許可申請前に要綱手続を設けて、そのなかで同意取得が求められる例がよく知られている。行政指導であるかぎりで可能であり、条例にもとづいて法的に強制することはできない。(北村・470頁、508頁)
(1) 要綱により求められた同意が取得されていないことを理由に法律にもとづく許可申請を受け付けないという行政運用には、行政手続法に照らしてどのような問題があるだろうか。
(2) 法律とはリンクしない独立条例のなかで許可制を規定し、許可基準のひとつとして「施設の設置に係る土地の隣接土地所有者及び地元町内会の同意を得ていること」という規定を設けることは適法だろうか。
(3) 行政が同意を求める理由が、施設に対する地元住民の不安にあるとすれば、どのような制度を設けることが適切だろうか。

by strafrecht_bt | 2016-11-28 16:23 | 環境刑法


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