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刑法授業補充ブログ

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2017年 01月 16日

法と環境15:環境刑法と罪刑法定主義(2)

廃棄物処理の仕組み
(参考動画)→知っとく地図帳:清掃工場:小学生向けだが、清掃工場(大阪)の現状を紹介し、廃掃法の歴史にも触れている。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年十二月二十五日法律第百三十七号)
最終改正:平成二七年七月一七日法律第五八号
(定義)
第2条①  この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。

(投棄禁止)
第十六条  何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
第五章 罰則
第二十五条  次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 (中略)  
十四  第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
(中略)
2  前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。

第三十二条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一  第二十五条第一項第一号から第四号まで、第十二号、第十四号若しくは第十五号又は第二項 三億円以下の罰金刑
二  第二十五条第一項(前号の場合を除く。)、第二十六条、第二十七条、第二十八条第二号、第二十九条又は第三十条 各本条の罰金刑
2  前項の規定により第二十五条の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同条の罪についての時効の期間による。

両罰規定の解釈問題
廃棄物の意義
おから事件:最決平成11・3・10【百選46】
「不要物」の解釈
客観説
主観説
総合判断説
罪刑法定主義との関係:明確性原則
「みだりに…捨てる」の意義
野積不法投棄事件:最決平成16・2・20【百選58】
「捨てる」:管理の放棄→自己の支配領域内にある場合でも?
「みだりに」:生活環境・公衆衛生の悪化させる危険性(辰井)




テーマ(問題は非公開)
1 予防原則
2 人間中心主義と非人間中心主義
3 環境刑法の行政従属性
4 環境刑法と罪刑法定主義

【補充】福島原発事故の刑事責任
① 2013年9月9日:市民団体に業務上過失致死傷等容疑で告発された東電旧経営陣、菅氏ら当時の閣僚、既に廃止された原子力安全委員会の班目春樹元委員長ら原子力行政担当者ら計42人について、検察当局は1年以上に及び地震や津波の専門家からも意見を求めて捜査を行ったが、不起訴
(理由)「個人の明確な過失を示す新証拠は見つからなかった。その結果、『津波15.7メートル』の数字は東電内部での試算にすぎず、事故を関係者が予見していたとは言い切れない」等と、「リスクは予見可能」との見解を否定し不起訴処分とした。
② 2014年7月、東京第5検察審査会が、東電の元会長・元副社長2人の計3人について「電力会社の取締役は極めて高度な注意義務を負う」として起訴相当と議決。
③ 2015年1月22日:東京地方検察庁は、震災前に今回ほどの巨大津波が来るという知見は無く、事故の予測は困難だったとして、再び不起訴処分とした。
④ 2015年7月:検察審査会が再び起訴相当と議決
⑤ 2016年2月29日:東電元幹部3人が業務上過失致死傷容疑で強制起訴→朝日新聞デジタル
福島原発告訴団
【参考論文】福井厚「福島第一原発苛酷事故と「強制起訴」制度 : 東京第五検察審査会の「強制起訴」議決を契機として」京女法学9号(2016年), 3-55頁
淡路 剛久「原発被害を権利の面からどう捉えるべきか : 福島原発事故被害者の権利保護 (特集 原発の現場と原発訴訟)」消費者法ニュース (109), 47-50, 2016-10
宮森 征司「書評 高橋滋編著『福島原発事故と法政策 : 震災・原発事故からの復興に向けて』」季刊行政管理研究 (155), 53-56, 2016-09
河合 弘之「日本の原発の全貌」 (京都女子大学法学部公開講座 : 2016年度前期 原発訴訟と司法の役割 : 「福島原発事故」は終わっていない!)京女法学 (10), 27-47, 2016-08
海渡 雄一「東京第五検察審査会の「強制起訴」議決の意義 : 福島原発事故の原因・責任と原発再稼働 」(京都女子大学法学部公開講座 : 2016年度前期 原発訴訟と司法の役割 : 「福島原発事故」は終わっていない!)
京女法学 (10), 13-26, 2016-08
宇野 朗子「「福島原発事故」は終わっていない! : 原発事故の中で5年、何が起きているのか。私たちは、どう終わらせていくのか (京都女子大学法学部公開講座 : 2016年度前期 原発訴訟と司法の役割 : 「福島原発事故」は終わっていない!)」京女法学(10), 1-12, 2016-08
吉田 邦彦「東日本大震災・福島原発事故と自主避難者の賠償問題・居住福祉課題(上)(下)近時の京都地裁判決の問題分析を中心に[平成28.2.18判決]」法と民主主義 (509), 33-39, 2016-06;(510), 44-50, 2016-07
交告 尚史「原子力の専門分化による全体性の喪失 : 法学的視座から」 (特集 福島原発事故に対する省察)科学技術社会論研究 (12), 117-124, 2016-05
吉村 良一「福島原発事故賠償の現段階」 (特集 東日本大震災5年 : 被災地/日本の法的問題) -- (被災地と原発事故)法律時報 88(4), 33-38, 2016-04
吉村 良一 , 吉田 邦彦 , 除本 理史 , 米倉 勉 , 淡路 剛久「拡大ワークショップ 福島原発事故賠償の法的課題 : 損害論を中心に」日本私法学会私法 (78), 100-103, 2016

by strafrecht_bt | 2017-01-16 14:42 | 環境刑法


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