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2013年 06月 09日 ( 11 )


2013年 06月 09日

2013〔第19問〕(配点:2) 「事実の錯誤」

〔第19問〕(配点:2)
次の【事例】及び【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものはどれか。
(解答欄は,[No37])
【事 例】
Aは,殺意をもって,Bを狙い,けん銃を発射したところ,その弾丸がBを貫き,たまたまB
の背後を通行中のCにも命中したが,B,C共に死亡しなかった。なお,Aは,けん銃を発射し
た時点で,Cの存在を認識していなかった。
【見 解】
犯罪の故意があるとするには,罪となるべき事実の認識を必要とするものであるが,犯人が認
識した罪となるべき事実と現実に発生した事実とが必ずしも具体的に一致することを要するもの
ではなく,両者が法定の範囲内において一致することをもって足りる。人を殺す意思のもとに殺
害行為に出た以上,犯人の認識しなかった人に対してその結果が発生した場合にも,その結果に
ついて殺人の故意があり,Bに対する所為についてはもちろんのこと,Cに対する所為について
も殺人未遂罪が成立し,両罪は観念的競合となる。
【記 述】
1.この【見解】によれば,甲が殺意をもって,乙を狙い,けん銃を発射したところ,弾丸が乙
に命中したが,乙は死亡せず,乙を貫通した弾丸が甲が予期しなかった丙に命中して丙が死亡
した場合,甲には,丙に対する殺人既遂罪が成立するが,乙に対する犯罪は成立しない。
2.この【見解】によれば,甲が殺意をもって,乙を狙い,けん銃を発射したところ,弾丸が乙
に命中して乙が死亡し,乙を貫通した弾丸が甲が予期しなかった丙にも命中して丙も死亡した
場合,甲には,乙に対する殺人既遂罪,丙に対する過失致死罪が成立する。
3.この【見解】に対しては,殺人罪は被害者ごとに成立する犯罪であるから,被害者の個別性
は構成要件的に重要な事実であるとの批判がある。
4.この【見解】に対しては,いわゆる客体の錯誤の場合と方法の錯誤の場合とで故意の有無に
ついて結論が異なるのは不合理であるとの批判がある。
5.この【見解】に対しては,1人を殺す故意しかないのに,1人を殺した場合より処断刑が重
くなるのは妥当ではないとの批判がある。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 22:22 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第17問〕(配点:2) 「間接正犯と共同正犯」

〔第17問〕(配点:2)
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄
は,[No35])
1.甲は,生活費欲しさから強盗を計画し,12歳の長男乙に対し,Vから現金を強取するよう
指示した。乙は,甲の指示に従い,Vに刃物を突き付けて現金を強取した。乙が是非善悪の判
断能力を有していたか否か,甲の指示により意思を抑圧されていたか否かにかかわらず,甲に
は強盗罪の間接正犯が成立する。
2.甲は,通常の判断能力がないVの殺害を計画し,Vに対し,首をつっても仮死状態になるだ
けであり,必ず生き返るとだまして,Vに首をつらせて窒息死させた。甲には自殺関与罪が成
立する。
3.甲と乙は,自分たちのことを日頃ばかにするVを懲らしめてやろうと思い,Vに傷害を負わ
せる旨共謀した。そして,甲と乙は,それぞれ,Vに対し,日頃の恨みを言いながら,その身
体を殴り付けた。Vは,これに応答して甲らを罵った。すると,乙は,Vの発言に腹を立て,
殺意をもって,隠し持っていたナイフでVを刺し殺した。乙に殺人罪が成立する場合,甲には,
Vに対する殺意がなくても殺人罪の共同正犯が成立する。
4.甲は,V宅に石を投げ付け窓ガラスを割り始めた。これをたまたま見た乙は,自分も窓ガラ
スを割りたいと思い,甲に気が付かれないよう,V宅に石を投げ付け,甲が割った窓ガラスと
は別の窓ガラスを割った。甲と乙には器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
5.女性である甲は,甲の男友達である乙との間で,乙がVを強姦する旨共謀した。その後,甲
がVを誘い出してVの体を押さえ付け,乙がVを強姦した。乙に強姦罪が成立する場合でも,
甲には強姦罪の共同正犯は成立しない。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 22:20 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013

〔第17問〕(配点:2)
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄
は,[No35])
1.甲は,生活費欲しさから強盗を計画し,12歳の長男乙に対し,Vから現金を強取するよう
指示した。乙は,甲の指示に従い,Vに刃物を突き付けて現金を強取した。乙が是非善悪の判
断能力を有していたか否か,甲の指示により意思を抑圧されていたか否かにかかわらず,甲に
は強盗罪の間接正犯が成立する。
2.甲は,通常の判断能力がないVの殺害を計画し,Vに対し,首をつっても仮死状態になるだ
けであり,必ず生き返るとだまして,Vに首をつらせて窒息死させた。甲には自殺関与罪が成
立する。
3.甲と乙は,自分たちのことを日頃ばかにするVを懲らしめてやろうと思い,Vに傷害を負わ
せる旨共謀した。そして,甲と乙は,それぞれ,Vに対し,日頃の恨みを言いながら,その身
体を殴り付けた。Vは,これに応答して甲らを罵った。すると,乙は,Vの発言に腹を立て,
殺意をもって,隠し持っていたナイフでVを刺し殺した。乙に殺人罪が成立する場合,甲には,
Vに対する殺意がなくても殺人罪の共同正犯が成立する。
4.甲は,V宅に石を投げ付け窓ガラスを割り始めた。これをたまたま見た乙は,自分も窓ガラ
スを割りたいと思い,甲に気が付かれないよう,V宅に石を投げ付け,甲が割った窓ガラスと
は別の窓ガラスを割った。甲と乙には器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
5.女性である甲は,甲の男友達である乙との間で,乙がVを強姦する旨共謀した。その後,甲
がVを誘い出してVの体を押さえ付け,乙がVを強姦した。乙に強姦罪が成立する場合でも,
甲には強姦罪の共同正犯は成立しない。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 22:18
2013年 06月 09日

2013〔第15問〕(配点:2) 「過失犯」

〔第15問〕(配点:2)
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。(解
答欄は,[No29])
1.罰則を定めた特別法の法条に,過失行為を処罰する旨の明文の規定がない場合であっても,
当該特別法の目的から,罰則を定めた法条に過失行為を処罰する趣旨が包含されていると認め
られるときには,同法条が刑法第38条第1項ただし書に規定される特別の規定となり,過失
による行為を処罰することが可能である。
2.業務上過失致死傷罪の「業務」とは,社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われ,ま
たは,反復継続して行う意思をもって行われる行為であり,他人の生命・身体等に危害を加え
るおそれがあるものをいう。
3.重過失致死傷罪の「重過失」とは,行為者としてわずかな注意を払えば,結果発生を予見す
ることができ,結果の発生を回避できた場合をいう。
4.複数の行為者につき,行為者共同の注意義務が観念でき,行為者がその共同の注意義務に違
反し,共同の注意義務違反と発生した結果との間に因果関係が認められる場合には,過失犯の
共同正犯が成立し得る。
5.過失行為を行った者を監督すべき地位にある者の過失の有無を判断する際には,信頼の原則
は適用されない。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 22:16 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第13問〕(配点:3) 「正当防衛」

〔第13問〕(配点:3)
正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,誤っているものを2
個選びなさい。(解答欄は,[No22],[No23]順不同)
1.正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは,予期された侵害を避けるべき義務を
課する趣旨ではないが,単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず,その機会を
利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは,侵害の急迫性の要件
を欠く結果,そのような侵害に対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
2.憎悪や怒りの念を抱いて侵害者に対する反撃行為に及んだ場合には,防衛の意思を欠く結果,
防衛のための行為と認められることはない。
3.相手からの侵害が,それに先立つ自らの攻撃によって触発されたものである場合には,不正
の行為により自ら侵害を招いたことになるから,相手からの侵害が急迫性を欠く結果,これに
対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
4.刑法第36条にいう「権利」には,生命,身体,自由のみならず名誉や財産といった個人的
法益が含まれるので,自己の財産権への侵害に対して相手の身体の安全を侵害する反撃行為に
及んでも正当防衛となり得る。
5.正当防衛における「やむを得ずにした」とは,急迫不正の侵害に対する反撃行為が,自己又
は他人の権利を防衛する手段として必要最小限度のものであること,すなわち反撃行為が侵害
に対する防衛手段として相当性を有するものであることを意味し,反撃行為が防衛手段として
相当性を有する以上,その反撃行為により生じた結果がたまたま侵害されようとした法益より
大であっても,その反撃行為が正当防衛でなくなるものではない。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 21:46 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第11問〕(配点:2) 「不作為犯」

〔第11問〕(配点:2)
次の【事例】及び【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものはどれか。
(解答欄は,[No20])
【事 例】
甲は,手の平で患部をたたいてエネルギーを患者に通すことにより自己治癒力を高めるとの独
自の治療を施す特別の能力を有すると称していたが,その能力を信奉していたAから,脳内出血
を発症した親族Bの治療を頼まれ,意識障害があり継続的な点滴等の入院治療が必要な状態にあ
ったBを入院中の病院から遠く離れた甲の寄宿先ホテルの部屋に連れてくるようAに指示した
上,実際に連れてこられたBの様子を見て,そのままでは死亡する危険があることを認識しなが
ら,上記独自の治療を施すにとどまり,点滴や痰の除去等Bの生命維持に必要な医療措置を受け
させないままBを約1日間放置した結果,Bを痰による気道閉塞に基づく窒息により死亡させた。
【判 旨】
甲は,自己の責めに帰すべき事由によりBの生命に具体的な危険を生じさせた上,Bが運び込
まれたホテルにおいて,甲を信奉するAから,重篤な状態にあったBに対する手当てを全面的に
委ねられた立場にあったものと認められる。その際,甲は,Bの重篤な状態を認識し,これを自
らが救命できるとする根拠はなかったのであるから,直ちにBの生命を維持するために必要な医
療措置を受けさせる義務を負っていたものというべきである。それにもかかわらず,未必的な殺
意をもって,上記医療措置を受けさせないまま放置してBを死亡させた甲には,不作為による殺
人罪が成立する。
【記 述】
1.Aが甲に対してその特別の能力に基づく治療を行うことを真摯に求めていたという事情があ
れば,甲にはその治療を行うことについてのみ作為義務が認められるから,この判旨の立場か
らも殺人罪の成立は否定される。
2.判旨の立場によれば,この事例で甲に患者に対する未必的な殺意が認められなければ,重過
失致死罪が成立するにとどまる。
3.判旨は,不作為犯が成立するためには,作為義務違反に加え,既発の状態を積極的に利用す
る意図が必要であると考えている。
4.判旨は,Aが甲の指示を受けてBを病院から搬出した時点で,甲に殺人罪の実行の着手を認
めたものと解される。
5.判旨は,先行行為についての甲の帰責性と甲による引受行為の存在を根拠に,甲のBに対す
る殺人罪の作為義務を認めたものと解される。

正解

by strafrecht_bt | 2013-06-09 21:43 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第7問〕(配点:2) 「共犯と身分」

〔第7問〕(配点:2)
刑法第65条に関する次のIないしIIIの各【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[No12])
【見 解】
I.刑法第65条第1項は真正身分犯の成立及び科刑についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の成立及び科刑についての規定である。
II.刑法第65条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり,同条第2項は身分が責任に関係する場合についての規定である。
III.刑法第65条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である。
【記 述】
1.Iの見解に対しては,真正身分犯が身分を連帯的に作用させ,不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠が明らかでないとの批判がある。
2.IIの見解に対しては,身分が違法性に関係する場合と身分が責任に関係する場合を区別することは困難であるとの批判がある。
3.IIIの見解は,刑法第65条第1項が「共犯とする」と規定し,同条第2項が「通常の刑を科する」と規定していることを根拠の一つとしている。
4.Iの見解に立った場合,甲が愛人である乙を唆して,乙が介護していた乙の老母の生存に必要な保護をやめさせた事例では,甲には保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し,科刑は単純遺棄罪の刑となる。
5.IIIの見解に立ちつつ,常習賭博罪における常習性が身分に含まれると解した場合,賭博の非常習者である甲が賭博の常習者乙を唆して,乙に賭博をさせた事例では,甲には常習賭博罪の教唆犯が成立し,科刑は単純賭博罪の刑となる。

by strafrecht_bt | 2013-06-09 21:32 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第9問〕(配点:4) 「刑罰」

〔第9問〕(配点:4)
刑罰に関する次のアからオまでの各記述を検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2
を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[No14]から[No18])
ア.自由刑には,懲役,禁錮及び労役場留置が含まれる。[No14]
イ.財産刑には,罰金,没収及び追徴が含まれる。[No15]
ウ.有期の懲役又は禁錮は,1月以上15年以下であり,これを加重する場合においては30年
にまで上げることができる。[No16]
エ.有期の懲役又は禁錮を減軽する場合においては1月未満に下げることができる。[No17]
オ.懲役は,受刑者を刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる刑罰であり,禁錮は,受刑者を
刑事施設に拘置する刑罰である。[No18]

正解

by strafrecht_bt | 2013-06-09 15:30 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第5問〕(配点:2) 「責任能力」

〔第5問〕(配点:2)
責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものは
どれか。(解答欄は,[No10])
1.心神喪失とは,精神の障害により,行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動す
る能力が欠けている場合をいう。
2.心神耗弱とは,精神の障害により,行為の是非を弁識する能力が欠けている若しくは著しく
減退している場合,又はこの弁識に従って行動する能力が欠けている若しくは著しく減退して
いる場合をいう。
3.13歳であるが,行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動する能力に欠けると
ころがない場合,責任能力が認められる。
4.精神鑑定により心神喪失と鑑定された場合には,裁判所は,被告人の責任能力を認めること
はできない。
5.精神の障害がなければ,心神喪失は認められない。

正解

by strafrecht_bt | 2013-06-09 15:20 | 司法試験
2013年 06月 09日

2013〔第3問〕(配点:2) 「同意」

〔第3問〕(配点:2)
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1
から5までのうちどれか。(解答欄は,[No4])
ア.甲は,医師免許を有していなかったが,女性乙に対し,医学的に必要とされる措置をとることなく豊胸手術を行った。女性乙が豊胸手術に伴う身体傷害につきあらかじめ甲に対して承諾していた場合,甲に傷害罪(刑法第204条)は成立しない。
イ.甲は,民事訴訟の証拠調べの期日において,証人として宣誓の上,虚偽の陳述をした。原告乙及び被告丙の双方とも甲が虚偽の陳述をすることにつきあらかじめ甲に対して承諾していた場合,甲に偽証罪(刑法第169条)は成立しない。
ウ.甲は,重病の母親乙の首をロープで絞めて殺害した。乙が殺害につきあらかじめ甲に対して承諾していた場合,甲に殺人罪(刑法第199条)は成立しない。
エ.甲は,12歳の女児乙の同意を得て,女児乙に対してわいせつな行為を行った。甲に準強制わいせつ罪(刑法第178条第1項)は成立しない。
オ.甲は,交通違反の取締りを受けた際,警察官に対し,乙の氏名を名乗り,交通事件原票の供述書欄に乙名義で署名押印した。乙が名義使用につきあらかじめ甲に対して承諾していた場合, 甲に有印私文書偽造罪(刑法第159条第1項)は成立しない。
1.ア イ 2.イ ウ 3.ウ エ 4.エ オ 5.オ ア

正解

by strafrecht_bt | 2013-06-09 15:13 | 司法試験